1日目 「天津より成都へ」
  

■北京空港へ向かう

  旅行一日目。予約が遅かったためか、天津から成都へ飛ぶチケットが完売で、北京から成都へ飛ぶことに。
北京から成都までフライト数も多く便利だ。ただ天津から北京空港までの移動が結構大変。天津市内から北京空港まで直通の小型バスがでていてそれを利用する。70元で所要時間2時間15分。朝余裕をもって準備したいからと、飛行機の時間を12時半にしたけれど、北京発なら天津を8時半発のバスに乗っていかなければならなかった。結局朝の準備の時間なんてないに等しいのだ。

■高速でトラブル?

 北京空港までは高速道路を走る。この日は国慶節にもかかわらず8時半発のバスは席があまっていた。いつもは満席で仕方なく次のバスに乗る人がでるんだけど、8時半は時間的にすくないのかな?私もとなりの席が空いたままま快適にすごせた。
 が、しかし、高速もそろそろおりようという頃、同じバスが前に止まっている。なにやらエンジンが故障して危険だという。そしてそのバスにのっていた乗客が全員こっちのバスに乗ってきた。いくらすいているといっても全員は乗れない。私はそう思ったけど、みんなは必死で乗り込もうとした。席はなくなり、通路はもともと荷物でいっぱいなのにその隙間にも人がはいり、荷物の上に座る人も。私のスーツケースの上にも放っておいたら絶対人が座る(汗)と思い、位置的に座りそうなおばさんを私はずっとマークしていた。さすがに座ったという現場を押さえていないのに、「座らないでください」というずうずうしい行為はしたくない。本音は何もいいたくないのよ。でも私のソフトスーツケース、自慢じゃないけどあれは日本で3000円で購入したもので、もうすでに飛行機で3往復くらいしているからいつ壊れてもおかしくない。そして旅は1時間ほど前にはじまったばかり。ここでスーツケースを壊してしまうなんてそんな悲惨なことはどうしても避けたい。おばさんは幸い、座る気はなさそうだった。でもずっと座るところがないのは体力的にきつい、いつかはもたれかかって、そしてついには座るときがくるはず!すると、本当におばさんは座った!みてしまったからもう言うしかない!私はとても申し訳なさそうに小声で「そのスーツケースの上には座らないで下さい」といった。本当なら「このスーツケースは壊れやすくて」って言い訳をしたかったけど、おばさんも気を悪くしなかったし、その必要はなかった。ああ、いいひとでよかった。

■北京空港到着

 途中で一時とまったけど、大幅な遅れはなく北京空港に到着した。日本に帰国するときなどに北京空港はもう何度も利用しているので、まだまだ旅に出るという感覚を味わえなかった。国内線だから免税店もないし、機内食がでるとわかっているのに空港の高いお店で食事しようとも思わないし、することがないのでさっさと搭乗ゲートにいって待っていた。搭乗ゲート付近で待つ人のなかには、外見をみただけで外の人(外国人)という人もいたし、その人の話す言葉を聞いてその方言で中国のどこかの地方の人なんだろうなというような人達もいた。私はそうやってその人の出身を想像してみて、その人の生活までもを勝手に想像するのが好きだった。だから空港のような色々な土地から人が集まり、また旅立っていくところがすきなのかも。
 12時30分がきても、ゲートは開かない。中国国際航空(CA)は確かによく遅れる。原因はなんだったのかわからないけど30分以上送れてやっと離陸した。北京空港の滑走路もこんでいた。離陸待ちの飛行機が滑走路そばで1列に並んで待っている。面白い風景だった。
 さすがに飛行機も離陸したら非現実を感じる。そろそろ旅行にきたという実感が湧いてきた。空の上で雑誌をみながら色々考えていたら全然眠れなくなってきた。飛行時間は2時間20分。食事もすぐにでるし、食べ終わったら睡眠して、ちょうどいい頃に到着のはずなんだけど眠れなかった。後ろに騒がしい子供が2人いたのも関係あっただろう。国慶節は家族連れの旅行が多いからだなーと思った。
 
■成都空港にて友人と再会


 予定より30分ほど送れて成都に着陸した。「成都双流国際空港」は北京首都空港に比べたら規模は小さいものも、国際便も発着する国際空港、建物も綺麗だった。アナウンスはまだ綺麗な普通語が話されるけど、段々と周りから普通語を話す人が少なくなり方言を話す人が多くなった。「ああ、四川にきたなー」と思った(注:私は四川方言がわかるわけではない) 無事空港で待ち合わせしていた友人李さん(以下「李」と省略)とおちあった。久しぶりに会った。会ったはいいんだけど、なんか以前とかなり違っている!以前はおでこが広かったのに、前髪が急激に増えている!これはもしや、増毛?確かに以前増毛のことを口に出していたからその可能性は高い、でも実は後ろの髪を伸ばして前にもってきているだけかもしれない、うーむ…飛行場でいきなり「髪増毛したの?」なんてききたいけどきくわけにいかず、非常に気になった。

 友人の李は私が雲南省に旅行に行ったときに知り合った友人で、現在は重慶在住だから一緒に九塞溝いくのに距離的にも遠くないしちょうどいいかなーと思って旅行にさそった。元軍人さんで、今は市政府で働いている。官僚が幅をきかせられる中国で市政府で働いているというと、偉いイメージだけど、彼は市政府のお偉いさんの車の運転手をしているだけで、彼自身は市政府と関係があるわけではない。おそらく軍隊関係のコネで市政府での仕事をみつけたのだと思う。軍人さんの待遇はとてもよい。軍人さんの身分証があれば、観光地のチケットは無料、あるいは割り引き、軍隊のナンバープレートの車を運転していたら、全国各地高速料金、駐車料金はいらないし、道路で危ない運転しても誰も怖くて何もいえない。とにかく、ナンバープレートのその赤い文字だけで、「俺は偉い」と錯覚を得られるような待遇をうけられるのだった。もしかしてそのプレートがほしくて彼を雇っているのでは?とさえ思えてしまうけど、それはまだ調査中、とにかく私は中国のそういった世界は体験したことがなくて彼と同行するとそんな世界がみれてそれが面白かった。 

 旅行に一緒にいくのは李だけだったけど、李は友人の「方さん」という人を連れていた。方さんは薄いブルーのサングラス(ずっとかけているのでたぶん度入り)にスーツにネクタイ着用のきりっとしたおじさんだった。低い声で威厳のある話し方、もしかしてちょっと怖い仕事でもしているの?とさえ思えてしまった。身なりはしっかりているこの人は、一体どういう人なんだ?騒がしい李とは違って、体全体から「地位のある人」オーラーのでいている方さんは気になる人だった。

■成都市内へ移動

 空港からタクシーでホテルへと向かう。成都双流国際空港は市内からそれほど離れていないのにメーターが異常に上がる!私の住む天津では、シャレードという普通のタクシーなら初乗り5元で、3kmでやっとワンメーター上がって6.5元になるのに、その車は3kmの時点でもう20元になっていた。いくら空港にはその土地に詳しくない人達がくるからといってもこれは法外に高すぎる。抗議したけれど運ちゃんいわく、高速代金が含まれているからということだった。それでも30分くらいの距離結局50元弱、やっぱり高かった。

 泊まったホテルは「交警賓館」というところ。交警というのは交通警察の略で、管轄がそこなのだろう。ちなみに中国でいう警察は交通事故や交通整理などを担当する。日本で言う警察は中国では「公安」という。交警賓館といっても中は普通のホテルとかわりない。働いている人も普通の人だし、特に交通警察をかんじさせるものは一つもなかった。

■九塞溝・黄龍行きツアーに申し込む

 さてホテルにも着き、食事の時間にも早かった、方さんは帰り、私たちは九塞溝に行く予定を決めるために旅行社をさがしにいった。大体どこも4日間ツアー1200元で出していた。1200元は日本円にすると18000円くらいで高くはないけれど、こちらでは言い値はいつも沢山の利益を含んでいる。市場の野菜から不動産まで、すべてが言い値で承諾したらこっちが損をするのだ。それに4日間のツアーで、2日は移動にとられて実際の観光は2日のみ、そして辺鄙なところなのでホテルも暖房がなかったりお湯がでなかったりとそんなことはわかっている。それで1200元というのは確かに高すぎる。せめて1000元以下にしないと嫌!ということで頑張って何件も探した。幸い私達の泊まる交警賓館ホテルに李の知り合いがいるらしく、その人に紹介してもらった旅行社がみつかった。「皆友達じゃないか」という中国人の好きな台詞で値切って980元まで下がった。こんなときもコネが役に立つ。これは日本人同士の旅行では使えない技だなーと思った。ラッキー!

■火鍋を食べに行く

 無事に旅行の契約も済み、食事に行った。火鍋を食べに行った。火鍋は重慶が有名だけど、まあ成都も重慶から近いということで火鍋にした。方さんと方さんの友達家族もやってきた。どういういきさつでその人達がきたのかわからないけど、方さんのおごりだから、方さんの友達がくるのはおかしなことではなかった。ただ私は四川方言で繰り広げられる会話にまったくついていけなくて、一人で火鍋をたべまくるしかなかった。火鍋は日本人にも結構あう料理で、日本人同士でもよく食べにいくけど、日本人と中国人で頼むものが違うなーとかんじられた。日本人は白菜とかしらたきみたいなものとかを好んで頼み、中国人は肉、内臓、魚ばかり。肉は大体が羊の肉。内臓は腎臓とか腸とか、生殖器もいれる。魚も小さいのから大きいのまで。タレは限りなく100%に近く油だった。ごま油と何かのミックスで、お好みでオイスターソースをいれていた。かなりこってりだった。火鍋は何度も食べているけど初めて火鍋がこんなに「重い」食べ物だったということを思い知らされる。いつも白菜とかの野菜を油っこくないタレで食べてたけれど、今回は魚だ肉だとか「遠慮するな」と次々に私のお皿に入れられ野菜を食べる暇はなかった。気がついたら生殖器らしきものも私のお皿にも入っていた。さっき「生殖器は食べない」っていったのに…。李たちは皆さんでビールを飲みまくり楽しそうだった。こっちの習慣では、乾杯したらいっきで飲み干さなければならない。飲み干さなければそれは失礼に値するということ。乾杯は何度も行われる。私たち日本人はお酒が飲めると思いこまれているためよく無理やり飲まされて、お酒の飲めない私は大変つらい。今回は方さんが「飲めなかったらいいよ」っていうことで助かった。方さんみたいに言ってくれる人って本当少ないんだよね。方さんがやさしい人だとわかった。ちなみに騒ぐのが大好きな李は飲みすぎてホテルで吐いていた。吐いているのはかわいそうだったけど、自業自得だよね。明日から旅行だっていうのに飲みすぎるのが悪いよね。

2日目 「九塞溝へ移動」へ




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