2日目「九塞溝へ移動」


岷江1 ←岷江 この川沿いの道ををひたすら進む。

ツアー集合l

 4日間ツアーの初日。集合時刻は7時だった、にもかかわらずホテルをでたときにはすでに7時ちょうどだった。やばい!いきなり遅刻だ!李を急かす、李はまだ大丈夫だという、朝食を食べてから行こうなどという。確かに中国では日本より時間にルーズ。ツアーの場合お金はすでに払っているけど、ピックアップして目的地に連れていかなければ契約履行にならないのでもうけにならない。だから絶対まってくれる。それを知っているからなのか、それとも単に約束の時間に間に合うよう行動する習慣がないのか李は全然焦っていなかった。中国人の李がそういうなら大丈夫だろう、たいしたものでないだろうけど朝食代も宿泊料金に入っているだろうと思いご飯と食べた。5種類くらいのおかず(といっても漬物などのお粥のおかずにするもの)と肉饅頭に袋の牛乳だった。ホテルの割には寂しい朝食だと思ったけど、後から思うとツアーのなかでは一番よい食事だったかもしれない。


 さて食事も終わり集合場所へ急いだ。そこは体育館で大型バスが何台もとめてあった。案の定7時を過ぎてもバスは待っていた。バスに乗りこみ次の集合場所に向かう。私達がすでに20分くらい遅れてきたから皆待っているだろうなーって少し申し訳なかったけど、次の集合場所でも結構待たされた。出発したのは確か8時をすぎていただろう。

■出発

  これでツアー客が全員そろった。メンバーは北京からきた夫婦+大学生息子、新彊の子供のいない夫婦、陝西省の金持ちおじさんとその彼女、河北省の3姉妹、成都からの若カップル、同じく成都出身10歳の子供連れ夫婦、出身地不明の7歳の子連れ夫婦、それに新婚旅行で参加の夫婦と20代後半カップル(多分既婚)だった。運転手は2人いる。10時間の運転なので一人ではきついだろう。なぜか、一人の運転手は自分の奥さんも連れていた。仕事を手伝う様子でもないので単に旦那さんについてきてついでに観光するのだろう。ガイドは22歳の王くんだった。王くんはチャン族(羌族)という少数民族だ。九塞溝・黄龍はアバ チベット族、チャン族自治州だ。王くんは仕事がきついためすごく痩せたんだといってたが、なかなかの男前だった。

 九塞溝までの所要時間は10時間くらいだ。山道を想像していたけど、岷江という川の川沿いをひたすら走るのだった。時に川の右側を走り、次は橋を渡って左側の道を走り、また橋を通って右へとそのくりかえしだった。だからそれほど車酔いをしやすい道でもない。成都をでて水利工事跡のある、都江堰をとおり、岷江のダム工程が見えてきた。岷江のダムは西部開発のプロジェクトの一つで、完成までにはまだ時間がかかるらしいが、完成したら杭州の西湖の100倍の大きさになるとか。天津にいると西部開発という言葉をきいても遠い世界のことのようだけど、そういえばここはまさに西部なのだなあと改めて思った。

■みんなでゲーム

ガイドの王くんはゲームをしましょうと言い出した。「参加することに意義があります、皆さん恥ずかしがらないで参加しましょう」という。ゲームはまずペットボトルを一つ用意する。王くんが背を向けて「1,2,3,4」と数を数えている間に私達はそのペットボトルを手渡しで後ろかとなりの席の人に渡していき、王くんが数を読み上げなるので、そのときペットボトルを持っている人が負け、というもの。負けたら歌を歌うか話をしなければならない。私は焦った。今回は中国人の友人との参加だし、日本語を話すこともない。今までの経験上日本人ということを伏せていた方が何かと楽なので今回も日本人というのを隠しているつもりだった。それが罰ゲームになると外国人だとばれてしまう可能性がある、中国の歌は歌えるけど発音がやはりネイティヴではない。話をするのも同じく危険。中国人は人前で歌を歌うのもお話をするのも得意なので、罰ゲームでもまんざらでもないのだろうけど、私はごめんだわー。私のところにまわってきませんように!ゲームはまあまあ盛り上がっていた。案の定負けてしまった中国人もためらいもなく歌をうたっていた。クールな北京から来た大学生すらも、アンディ・ラウの「忘情水」を歌ってのけた。人前で咽を披露することが多いのだろうか。みんな歌詞を完璧に覚えている。その姿勢はすばらしい。幸い私は歌わなくてすんだ。一度罰ゲームが回ってきたのだけど、同じ席の李が歌ってくれた。俺は歌が下手だからーなんていっていたけど、李も目立ちたがりやさんなのだ、すぐに歌いはじめた。でも曲が「戦友」だった。元軍人さんだからか?彼は軍人さんだったことを誇りに思っているのだろうな。

■おじさんキレル!

ゲームも終わりすっかりうちとけてきたが、北京からきたおじさんがいきなり怒鳴り始めた。「そんなにスピード出さないでくれ!危なすぎる」確かにバスのスピードはかなりでていた。道は片道1車線でカーブミラーもなく、大型バスが頻繁にすれ違うのに適しているスピードではなかった。王くんは「運転手さんは経験豊富で運転技術はすばらしいので安心して乗車していてください」という。確かに同じ道を何度も走っているから様子はわかっているのだろうけど、まっすぐでない道で、曲がり角にミラーはないし、前から急に車がでてきたら、その車をよけようとして川に落ちてしまうのではないかと容易に想像できた。運転手さんは一応了解したということで、スピードを落とすといったけど、結局かわりなかった。

北京のおじさんの怒りも落ちついてきたころ、今度は一人の老父と二人の小学生がバスに乗ってきた。王くんは「私の故郷の先生と2人の生徒です、20分ほど走ったところにある家まで乗せてあげたいのですが、いいですよね?」という。皆は特に反対する人はおらず3人は車に乗っていった。ところが20分経っても一向に彼らの家にはつかない。山を登っている途中だったけど、北京のおじさんはまた発言した。「その人たちを下ろしなさい、このバスは人数超過になっている。超過になったら安全は保たれないんだ。今すぐおろさなかったら人数超過で私は訴えるぞ!」実は中国でここまで法律や規定を遵守することを前提に意見をいう人はなかなかいない。中国の庶民は法律は「没用(役に立たない)」という。その考えには例えば法律もコネとか賄賂等でどうにかできるというような背景があるからなのだけど、積載超過だとか制限速度だとか、旅行者と個人の契約だとか、そのような決まりごとを守るという意識が日本ほど重要視されていないところなのだ。そんななか北京のおじさんの発言に私はちょっと親しみを覚えた。たしかに怒るのは他人の気分にまで影響してしまう、でもあなたの意見は正しい、そうやって決まりを守るということをあたりまえに考える人がいるんだぁと私はうれしかった。王くんは20分で着かないとわかってるけど20分で着くといったのだろう。そういわないと拒否する客が出てくるからだとおもう。王くんも自分の故郷の先生を乗せないわけにもいかないのだ。そのへんは難しい。結局目的地の故郷まで彼らを送り届けた。老父も子供達も「謝謝(ありがとう)」とも言わずに帰っていくところをみると、日常的に乗っているのだろう。中国らしい光景だ。



岷江2       岷江3

 ↑ トイレ休憩でよったところより見る岷江             ↑左の写真と同じ場所 らくだにのって写真
   特産物や果物を売っている。                     撮影もできる。ヤクもいる。
   焼き栗を買った。ほくほくで美味しかったが
   1斤10元とやけに高い。

九塞溝は山の奥なので寒いときいていたけど、昼ご飯を食べたところもすでに涼しかった。旅行の契約で食事は「八菜一湯(8つのおかずと1つのスープ)」が基本条件だった。私達ツアーは3つのテーブルに別れて座り一つのテーブルで八菜一湯を食べる。その昼はその旅行で初めての食事だったけど、じゃが芋と豚の角煮みたいな料理がでてきた。その地域の料理らしくその後の食事もほぼ毎回でてきた。それからバスの中で豆腐干(布で豆腐を包み、香料を加えて蒸しあげたもの)とかポテトチップスとか魚の加工食品とか食べた。李が買ってくれたのだけど食べないと機嫌を悪くするようだった。たぶん自分の買ったものを喜んで食べてもらえない=面子がない、と考えてしまうのだろう。純粋に食べられないときとかつらい。

あとの時間は映画をみたり睡眠をとったり意外と早く過ぎた。日本で考える10時間よりはかなり短かった。日本の感覚では10時間の旅に小さな子供をつれてくるなんて考えられないけどツアーには10歳と7歳の女の子がいた。子供は料金が安くすむからか、そして一人っ子だからかなー。なんて思った。

■九塞溝までいけない

 予定ではその日のうちに九塞溝についてそこで一泊するはずだったのだけど旅行シーズンのため九塞溝にはホテルがないという。そのため九塞溝から80kmも離れたところに泊まり次の日の朝早めに出発することになった。その日の夕食はそのホテルとなりだったがお茶もないようなところだった。何度も「お茶をくれ」と頼んだのに、食べ終わった後にやっとでてきて、しかもお茶じゃなくお湯だった。お茶の葉もないのか!私は確かに「お茶」と言ったぞ!ホテルの部屋は浴室の床に常時水があるような湿気の多いところだったけど、ツアーでない場合は1部屋400元で貸し出すという。九塞溝という観光地に近いというだけですごい値段だ。湿気のおかげで更に寒く感じる。しかも寒いのにエアコンがない!持ってきた服では足りない。もっと真冬の防備してこればよかったと後悔した。

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