憧れの南仏コートダジュール 女一人旅 4日目

■ニース駅まで

昨夜のケバブの残りを持ってニース駅まで出発。今日は山岳鉄道に乗って山のほうに行ってみる日。これは地球の歩き方にちょこっと載っていたのを見て、山の景色の好きな私はこれにしよう!と決めたところだったのだ。チケットはニースに到着した初日に買ってあるので後は駅に行くのみ。本当は9時台の電車に乗ろうと思っていたのだけれど、時差ボケで早く起きてしまうので735分の電車に乗ることになった。地球の歩き方にはこのタンド線は観光客のために英語ガイドが乗車していて、周辺の村のことを案内してくれるとのことだったけれど、私の乗った列車にはそれらしき人はいないばかりか、乗客が2,3名ほどだった。今日は51日、メーデーなのである。国鉄は運行しているから今日このタンド線に乗ることにしたのだけれど、バスは運休、お店も開いているところもあるが、しまっていることを覚悟したほうがよいとのことだった。初めての経験だったのでどこからどこまでがしまっているのかわからなかったけれど、この列車に乗っている乗客がとっても少ないのは朝早いからという理由なのかメーデーと関係があるのか。私の乗った車両には観光客はいないみたいだった。皆さん移動に利用しているみたい。実家に帰ったりそういうことかな。

     
 ↑ニース駅。タンド行きはどこかな?    ↑地下通路を通ってタンド行きの発車するホームへ
     
 ↑なんかセンスよい山岳鉄道だな。    ↑タンド行き。
     
 ↑グループで乗っても楽しめそうな座席   ↑大きな荷物も置けるようになっている。 
     
 ↑向かい合わせの席。テーブルは必要に応じて開いて使うタイプみたい    

■タンドまでの車窓

 地球の歩き方に書いてある通り、タンド線の車窓は見ごたえがあった。今までのコートダジュールの紺碧海岸とは打って変わって、列車は山の中を進んでいく。いくつもトンネルを通りすぎるのだが、トンネルに入る前に必ず独特の音を鳴らすので、それが耳についてしまうくらい何度もきいた。木々の緑と、岩山の岩の色。この辺はクロアチアを少し思い出した。

     
 ↑途中で撮ったPeillon-Ste-Thecleという駅の駅舎。    ↑右がNICE、左がBREIL。今は右からきて左に向かっている。

■タンド到着

 最初の目的地タンドに到着。列車を降りるとまず、寒い!!!!!

風がびゅうびゅう吹き、なんだこれ、今着ている服ではとても足りない!

激しく後悔した。服装のこと、そしてふと、この格好で観光をするのはとても寒すぎる。引き返そうか?と真剣に思ったくらい。それほど風が強くて寒かった。

 がしかし、はるばるここまできたのだ。観光をしないで引き返すなんて選択肢はもともと私の辞書には載ってないはず。室内観光できる場所もあるだろうし、カフェで人間観察だっていいじゃないか。とりあえず、村の中に進んでみよう。このタンドの駅前は他の村と比べてちゃんとしている感じだった。すぐに村の地図の看板があったし、それによると観光案内所がすぐ近くにあるようだった。まずはそこに・・・と行ってみたが閉まっていた。

え、メーデーは観光案内所もお休みするのか?!では地図は手に入らないということか・・・。そしてその向かいにある美術館(Musée Départemental des Merveilles) もかたく門を閉ざしているのを発見した。なんともいえない無力感を感じながら、しかし歩くしかないと思った。地図はない、今すぐ室内観光できるような場所はない、それなら歩いて町並みをみながら体を温めるしかない。たちどまっているとなおさら寒い。歩く、歩くのだ!

     
 ↑駅前のあたり。   ↑木のベンチも、地図も山登り仕様。 
     
 ↑シネマ。こちらも開いていない。    ↑山も空も高いな。葉っぱのない並木がさらに寒々しい。
     
 ↑Musée Départemental des Merveilles
立派な美術館のようだけど、やってないなら意味がないね・・・。
   ↑列車のプレートがすごくかわいいお店。レストランのようだった。
     
 ↑これってどういう意味なのだろう。   ↑お花屋さんは営業中。 
     
 ↑集合住宅でいいのかな?
ドアと窓が同じようにみえてドア多すぎ!って思ったけど違った。
   

 自分に活を入れて歩き始めた。さっきの村の地図を写メで撮って、とりあえず歩き始めた。旧市街の細い道を歩きはじめると(この村に新市街というのがあるのかどうかは不明)自然と風がやんだように思った。きっと路地が細く、そしてこの村の特徴でもあるけれど山にへばりつくように家々が建っているので実は風は直接あたらないのかもしれない。たまたまかもしれないけれど、とにかく寒くない時間が少しでも長いほうがよい。私は歩きながら、特に美しい光景が見える場所では写真を撮ったり少し立ち止まったりして進んだ。ここは相当田舎のようで、道行く人がみなさん「ボンジュール」と私に声かけてくれる。私はサングラスをしているのでアジア人だということが一見してすぐわかるわけではないが、それでも大きなカメラを持っているので外の人だということはわかるだろう。それでも挨拶してくれるのは、この村では挨拶の習慣があるということなのだろう。若いイケメンだってそういう風にしてくれるし、あたたかかった。いい習慣だと思った。

     
 ↑牛の蛇口の水場。    ↑これは誰かな?
     
 ↑緑の看板はパン屋さんみたいだけど、建物とトータルコーディネート
されてて美しい。
   ↑素朴な噴水のある広場。
   
↑かわいらしいマーケット。    ↑素朴な外壁。
     
 ↑洗濯物が干された空間。奥には高い山が。    ↑めちゃかわいい民家のガレージの扉。
   
   ↑壁の色がきれいいに色むらになっていて良い。
     
 ↑この壁のはげ具合も心を落ち着かせる(笑)    ↑この村の素朴な色合いが好きだ。
     
 ↑こういう小さなトンネルを通ると別の道に出られるみたい。    ↑旧市街を歩いていく。
   
 ↑二階の壁には絵が描かれている。鹿と山かな?   ↑乗ってきたタンド線の線路(橋)がみえる。
     
 ↑かわい~感じではない出窓がGOOD。    ↑石の家。
     
 ↑結構坂がきつくなってきた。    ↑線路が少し遠くなった。
     
 ↑石造りの住居の中をくぐる。    ↑平べったく丸い石の屋根瓦の並べ方が芸術的。
     
 ↑水場。村にはいくつもあるようだ。    ↑家紋のようなのをドア横の石に発見!
     
 ↑縄で縛られ晒された鉢(嘘)センスよく飾られていたよ。    ↑素焼きプランターに石が並べられてるのがいくつかあった。
 こういうのがスタンダード?
     
 ↑細い旧市街の路地にも車は通っていく。
本当に狭いところでは立ち止まってかわしてもらった。
   ↑なんかちょっと怖かったドア。地下室か納屋みたいなもの?
     
 ↑犬のマーク。お散歩のときのエチケット袋のことかな。    ↑古びた感じの壁がいいかんじ。こういうの求めてた。
     
 ↑コンパクトで生活感もあるけど土地の特徴もある家。こんなの好き。    ↑木でできたかわいい飾りものかあるいはライトになっているのかな?
     
 ↑この階段も手作り感があっていいなぁ。   ↑壁に羊飼いの絵。おしゃれだね。 
     
 ↑橋がもっとよく見える場所までやってきた。    ↑見方が違ったのか時間があっているように思えなかったけど日時計
     
 ↑屋根瓦本当に薄いのだけど作るの大変ではないのかな。   ↑壁に使われた石も大小さまざま。小さな小窓もかわいいね。 

 自分の感性に従って小高い場所に向かって歩き続けて、たどりついた場所は墓地だった。私の求めているものがそれだったのかと思うが意味深すぎて怖いが、その墓地から見える眺めもすばらしく、また墓地もかわいらしい感じで、日本人が思い浮かべる怪談話が似合うような墓場という感じは一切なかった。でも、やっぱり外の人が村の墓地をうろうろしているのはあまり好ましくない気がしたので早々と切り上げる。今度は丘を降りて違う方向に行ってみた。

といってもこの村も規模は小さいので、少し歩くとなんとなくわかってきた。ここに行けばあそことつながっているのだというのが。方向感覚の強くない私でもそうなのだから、男性などはすぐにつかめてしまうことかもしれないが。

この村は私がまさに期待していた感じの雰囲気だった。海の色鮮やかな感じではなくて、素朴で質素な色合いの村の家々。列車から見えた山にへばりつくようにシックな色合いの家々が立ち並ぶ風景は圧巻だった。ニースからタンドまで結構時間がかかるのでここまで来たという感じはした。それに列車の本数が少ないのであらかじめきちんと時間計算していないといけない。もちろんニースからなら十分日帰りできるし、列車の切符の購入も難しいことないので日本からの観光客にもぜひお勧めしたい場所ではあるが、弾丸旅行だとか、現地でふと思いついていくには少し難易度高いかも。

     
 ↑墓地に到着。    ↑これは何かの跡なのか?
     
 ↑かわいらしい墓地だった。   ↑墓地は丘の上なので村を見渡せる 
     
 ↑村の中の教会がよく見える。   ↑こちらは田舎道かな。時間があったら歩いてみたかった。
     
 ↑山間ののどかな村タンド。好きだな。    ↑山はやはり高し。
     
 ↑望遠レンズで撮ってみた。かなり立派な教会のようだ。ノートルダム参事会教会という名前のようだ。   ↑こちらも望遠で。家にしてはかなり大きな家がいくつか並んでいた。
 何家族住めるのだろうか。
     
 ↑石が黒くなった感じが全く怖くない。鮮やかな壁が一緒にあるからかな   ↑消火栓発見。
     
 ↑丸い小石の石畳。    ↑こういうテイストが好き。
     
 ↑壊れたところの手作り補修がしてあるもちょっとホラーチック。    ↑アーチが美しい。
     
 ↑ガスタンクが出窓にでていてちょっとびっくり。    ↑遺跡跡風の壁(笑)
   
 ↑線路の橋が綺麗にみえる。    ↑落書きしてあってかわいかった交通標識。
   
 ↑石塀に囲まれた畑。   ↑同じ方向を向いてずらっと並ぶ村の家。
   
 ↑コカコーラも村の雰囲気にマッチするようにエイジングされていた。   ↑こっちの看板も風景になじんでる。
     
 ↑三輪トラック発見。旧市街は狭いので小さめの車が活躍しそう。   ↑後ろの岩山シンクロー。 
     
 ↑タンドの家々が見えてきた~!鷲の巣村!    ↑やっぱり高い山に囲まれているな~。
     
↑アーチの門。  

■桜

 駅前の観光案内地図によると旧市街の中にもいくつか見所があるようだったので探してみる。実際行ってみたがどれだかわからないところもあるが教会だと思われる建物はすぐにわかった。教会横の駐車場では地元の人がお話をしていた。そしてなんとそこに桜を発見!葉がでてきてはいるが綺麗に咲いている。お天気もよいのでとっても美しかった。遠く日本からやってきて一人ぼっち感を感じることもあったけれど、こうやって同じように桜の木も日本からやってきて元気にやっているのをみると私もなんだか元気がでた。どうぞこれからも地元の人に愛されて、綺麗なお花を咲かせてほしいなと思った。

     
 ↑すごく歴史を感じる建物。   ↑こちらは色鮮やか。 
     
 ↑桜。やっぱり綺麗。    ↑桜の木。咲いているところに会えてよかった。
     
 ↑これはなんだったのだろう。後から調べてみたけどよくわからなかった    ↑民家の窓の外にブーツが干してあるのかと思ったら置物だった!
     
 ↑ノートルダム参事会教会の入り口。    ↑素朴なリース。私も手作りしてみようか。
     
 ↑ここが駅前の地図の載っていた観光スポットのようだったけど・・・    ↑オレンジ色のトラック。ドアーにかわいい絵が。
     
 ↑この小道を進んだらきっと楽しそう、と思った。    ↑藤も咲いてて青がきいてるコーディネート。かなりオシャレ。
     
 ↑こちらはラベンダー色。グレイっぽい壁にすごく映えるね。    ↑かなり歴史を感じる。家も道も。
     
 ↑グレイの壁、廃墟にも非常にマッチ。   ↑こんなところにもアート。
家の外見がアートになっている家が多く芸術意識が高いのかなって思う 
   
 ↑小道から覗いた風景。後で気づくが小道は民家の私有地だったよう  
     
 ↑黄色のポスト。    ↑地図みたい。みづらかった。
羊やヤギの絵が描かれているので、タンドと付近の村の地図だろうか?
     
     

■カフェでしばし休憩

 帰りの列車の時間のことも考慮して村の散策は切り上げて、後の時間は寒いのでカフェか何かでゆっくりすることにした。お茶できそうなところは駅の付近くらいにしかなさそうだったが、レストラン、バー、カフェと一軒ずつはある感じ。うろうろしてみたけれど開いてるカフェは1軒のみのようだったのでそこに入る。外からみると中の様子が見えづらいタイプの建物だったので入るのに少し緊張したけれど、中では地元の女性たちが集ってお茶する場のようで雰囲気は悪くなかった。店主の女性はお酒やけ?なのかハスキーボイスで、しかし必要な英語は通じた。英語ができるのはカフェやっているんだから当たり前でしょ?ってそのときは思ったけれど、そうでもないのだということを後々の旅を通して学んだ。

 紅茶を頼むとトワイニングのティーバックがでてきた。お値段は2ユーロ。ゴージャスなティータイムではないけれど、2ユーロで暖かい場所でゆっくりできるのはとってもありがたかった。言葉はわからないけれど地元の女性がカフェで楽しそうに会話しているのを見ているのも和んだ。やっぱりどんな場所に暮らしていても、女性にとってはおしゃべりしたり、お茶したりする相手がいるというのは大事なことだと思うし、そういうのをみるとここでの生活にポジティブな感想を持つよね。やっぱり女性は生き生きとおしゃべりするのが一番(笑)

 私の席の前にはピアノがあり、そしてその上に大きな絵画があった。ピアノには“LA VALLEE DES MARVEILLES”という本が。帰国後この題名を調べてみたら英語では”Valleof Wonders”というみたいで、ハイキングやトレッキングする谷?(もっと大きなエリア?)のことみたいだった。タンドはそういう山登りなどを目的に訪れる人も多いみたいだった。なるほど。

しっかり暖まって駅にて列車を待つ。

     
 ↑La Merendaというカフェ    ↑2ユーロの紅茶
     
 ↑店内。奥にはスイーツもあるようだった。    ↑絵画。大きな絵画で目の前に座っていたので引き込まれた。
     
 ↑このお店外から見るとこんな感じで店内がよくみえないの。    

La Merenda
紅茶2ユーロ

 余談。
実はタンド行きを決めてネットですでに訪れた人の旅行記ブログを読んでいた。すると、タンドのチーズ屋さんのおじちゃんがとってもとってもいい人でたくさんの試食を薦めてくれてかつ、日本人へのお土産だといってチーズを持たせてくれた。最後にはうるうるになるような素敵なおじちゃんだったという話をみて村の人の良さを感じたものだった。といってそのお店のことをメモってきていなかったのだけれど、実はこのカフェのすぐ近くにあったんだよね。というかタンドは旧市街の中よりは駅に近いところにお店が集中しているのかな。私は体質的にチーズをあまり食べられないというのと、フランス語が一切できないので中に入る勇気はでなかったのだけれど、前を通りかかって中を覗いてみると、あのときの旅行記にのっていたおじさんがいたのだ!ブログでみたそのまんまでとっても元気そうだった。なんだかなごやかな気分に勝手になった。面識もないし、会話すらしていないのに(笑)なんかこういうのっていいなぁ~ってタンドに勝手にほんわかした気持ちをいだいた。

■サオルジュを目指す

 1202タンド発の列車に乗った。タンドは素敵なところで本当に来た甲斐があったと思った反面、寒かったので体力と気力の消耗激しく、実は次に予定していたサオルジュに寄るか寄らないかで少し葛藤した。早めにニースに戻っても特に予定していることは何もないし、せっかく乗っているタンド線沿線のサオルジュもみたい。がしかし、もしさっきみたいに寒かったら私は一日中寒空の中にいることになる。風邪ひかないかしらと少し不安に思ったり。

サオルジュはタンド線の目的地を決める下調べのときに写真をみて、ここだ!と思った場所。私が求める山の風景のある場所だった。だから行きたい。だけど、メーデーだということでやっぱり地図もなくさまようことが予想された。しかもガイドブックによるとサオルジュは小さな村とのこと。なおさら不便ではないか?お店もやっていないのではないか?

しかし、この時間にニースに戻るのももったいない。なんせ、タンド線の往復チケット、割と高かったのだ。そう思うと途中下車自由にできるし、その時間があるのにさっさと帰るなんてきっと後悔する、と思ってやっぱりサオルジュで下車することにした。

     
 ↑つぶれた空き缶にわけのわからないごみ。
線路に結構ごみが落ちているのが気になった。
   ↑右にペットボトルの空。
     
 ↑タンドからサオルジュまでの車窓。道路がみえた。    ↑掃除をさぼっているといいたいわけではないが窓ガラスは汚れている

■サオルジュの駅到着するが

行き先はサオルジュなのだけれど降りる駅は「フォンタン・サオルジュ」ここら辺の下調べが足りていなかったのだけれど、フォンタンという村とサオルジュという村の間にある駅だったみたい。訪れた人の旅行記をちゃんと読んでおけばよかったのだけれど、駅を降りたらすぐに村というわけにはいかないということ、このことを知らなかったのだ、私は。

12.39サオルジュ到着。駅に降りる。私以外降りる人いないみたい。乗り込む人は村の少年たち数人。列車が去った後は駅には誰もいない。フォンタン・サオルジュは無人駅なのだ。しかし、無人駅は無人駅でもこれまた場所が辺鄙な場所にあるようにしか思えなかった。駅を出ると道路が一本あって、右矢印サオルジュ、左矢印フォンタンって書かれている。駅舎の反対側から村にいけないかなと行ってみたけれど、崖というか、とてもそこに村があるかんじではなかった。道路の脇には小花が咲いていたりして、とても自然を感じられる風景。道路は時々車が通るので完全に自分ひとりではないけれど、急用ができて道端でお手洗いをしたとしても、誰にもみつからない自信をもてるくらいの人のいなさだった(変な例えですいません)。

     
 ↑フォンタン・サオルジュの駅。
この日は快晴で見晴らしもよいが村はみえませんよ~。
   ↑線路。駅は線路の右手にあって、左は崖のよう。
     
 ↑前の写真を遠めにみるとこう。高い山の中にあるサオルジュ駅。
 線路の左はやはり何もなく、オレンジ駅舎のとなりの道しかないみたい
   ↑崖のほうをみると家が少しあるけれど、村ではなさそう。
     
 ↑右が列車の通るトンネルで左が道路のトンネル。
歩行者は左しかない。
   ↑長さは369mとのこと。覚悟して進む。

で、最初私はフォンタンのほうに進んだ。サオルジュが行き先だと知っているのにフォンタン方面に進んだわけは、サオルジュのほうにはトンネルが見えていたから。あんなトンネルを通って観光地に行くなんてありえないと思ったのだ。がしかし、フォンタン方面は道が続いていると思ったがすぐに同じようなトンネルにでた。あー、この地域トンネル必須なんだね。やっぱりサオルジュ方面のトンネルにいってみよう。と引き返した。

でサオルジュ方面のトンネル。これが400mもない距離なのだけれど、こういうトンネルを一人歩くというのは、昼間であっても怖いものである。しかも車がめったに通らないのだよね。この孤独を考えると通りかかった車をヒッチハイクして村まで連れて行ってくださいとジェスチャーで訴えるほうが簡単に思えた。それくらい一人のトンネルってあまり好きではない。

トンネルを歩き始める。いろんなことを観察して、できるだけ明るいことを考えながら。トンネル事故だとか、そういうことは考えないようにして。

それからやっとトンネルを出た。そこは雪国だった、を期待したわけではないが、だって今5月だから、じゃなくてそこには村があるのだと思った。だけどまだ、ただの道だった。少々怖い思いをしながら歩いてきたのに達成感が少しも感じられない。なんなのサオルジュ、だんだん憎くなってきた。それに地球の歩き方に駅から遠いとか一言も書いていないし、簡単に訪れられると勘違いさせるようなのってひどい!ぶつぶつ文句を言いながら。しかし引き返すのはいやだった。帰りにトンネルをまた通って駅に向かうのは仕方ないけど、来たばっかりのトンネルまた歩くのはねぇ。駅に戻っても電車も当分こないのわかっているし。

大分歩いた。すると急に村が見えてきた!やったーサオルジュ!めちゃ綺麗!

30分くらい歩いたのではないだろうか。これって駅遠すぎないか?と思った。

     
 ↑トンネルをでて。村はまだのようだ。しかし下にも道路があるようだ。
私が歩いているところは高台なので景色はよい。
   ↑向こうの方にタンド線の列車の通る短いトンネルがみえた。
 トンネルも徒歩でなければ怖くないのだけどね・・・
     
 ↑うわー。村が見えてきた!あれがきっとサオルジュね?    ↑斜面に一軒だけ家が。村から近いならば不便もないかな。
   
 ↑SAORGEという看板もあり、絶対にサオルジュに到着したと実感できた
何もなかった山から急に村がみえてきて感動!
 

やっと入り口に到着。入り口には村の地図の標識があったので写メとっておく。だって観光案内所とかあっても開いていないしね。地図なんてゲットできないのよ。そして公衆トイレ発見。村だから衛生面はどうだろう?って思ったけれど割と綺麗だった。お金も要らないようだった。入り口付近にはたくさんの自動車が停まっていた。最初は村を訪れる人が停めているのだと思ったけれど後で知ったけれど、村の中は車が通れないのでみんな入り口だとか他の駐車スペースに停めているということなのだった。

旧市街らしき狭い路地にきた。レストランがあって村人かな、楽しそうにしている。小さな村だときいていたけれど、カフェもあってちゃんとメーデーに営業している。ここなら後から食事をとりにきてもいいなと思った。ちょうどお昼時だったのでこの村でご飯にありつけなかったら今日はお昼抜きになるところだったのだ。外のテラス席にアジア人女性のような人をみつける。日本人ではなさそうだけれど東南アジアの人かな、一緒に座っている男性が西洋人だからこっちに住んでいるのかもしれないけれど、感じよさそうだったからちょっと話しかけても応えてくれたかもって思った。

子供たちが走っていたり、小さいながらもいい感じの路地だった。ふと、曲がり角を曲がると絵画の飾ってある場所があったり、いいかんじ。観光地という感じはあまり感じられない。いいところに来たな、サオルジュを選んで正解だったと思った。

     
 ↑サオルジュの地図。左上がフォンタン・サオルジュの駅の方向。    ↑かわいらしい建物がお出迎え。
     
 ↑素朴なのだけれどどこかかわいらしい。    ↑村の人たちが楽しそうに過ごしていたのが印象的だった。
     
 ↑オシャレなレストランオープンスペースもある。   ↑静かな旧市街の路地。 
     
 ↑道を曲がると絵画。いくつかあったのだけどぶれてしまった。    ↑メーデーで静まり返っているかと思えばそうでもなくて安心した。
     
 ↑ピンクのバケツがかわいいなぁ。皆の共用なのだろうか?    ↑植木鉢のアート。
     
 ↑一番手前の後ろ向きに座っている女性がアジア系の女性だった。    ↑子供たちが走っていく。今日は祝日だもんね。

「ボンジュール」と後ろから声をかけられた。振り返るとフランス人らしきおじさんだった。それから英語で道に迷っているのですか?ときかれた。私は道に迷っているのではないけれど、いま到着したばかりなんです。というと村のことを歩きながら少し説明してくれた。向こうの山の方に昔の城跡があるとか、あそこに見える建物が学校だとか、イタリアの国境まではどれくらいで、この村には美しい教会がある、といい教会までは一緒に案内してくれた。おじさんの家が同じ方向だからということだった。

教会から村を振り返るととっても美しい村の風景がみられた。めちゃ綺麗でここまで遠かった道のりのこと水に流してもいいかな、という気分になった。教会は残念ながらメーデーのために閉まっていた。おじさんが、この教会の塗装をした人が知り合いだったから教えてくれた、といって柱の一つを指差した。そこには人の顔がわからないように描いてあるのだ。おじさんはpainter’s faceといっていた。その顔は女性の顔のようにやさしい表情に見えたけれど、そんなお茶目なことを仕掛けていたなんて面白いなって思った。

おじさんの話のよると、その教会の裏からイタリアの国境にいけるとかなんとか、徒歩だと6時間とか言っていたかな。その他いろいろ村のことを教えてくれた。おじさんは私に何時の列車で帰るのかきいてきたので3時台ので帰るといったら、滞在時間が短いからなんとかかんとかいいながら、どこに行ったらいいか考えてくれている様子であった。なんて親切なのだろうと思ったけれど、彼は外国の人にあったら親切にしたいんだといっていた。なぜならば、仕事で10カ国以上の国に滞在したけれど、そのときに現地の人にとてもよくしてもらった。だから今度は自分がそうしているという話だった。おじさんは何か仕事はしているようだったけれど年齢は65歳かくらいに見えた。

     
 ↑山のてっぺんに昔の城跡がある。山肌と一体化して見づらいが
 この写真ではちょうど中央あたりにうつっている。
   ↑鷲の巣村であるサオルジュの全景がだんだんとみえてきた。
 手前の黒紫色のような屋根瓦がサオルジュの特徴なんだってね。

 おじさんに、お昼に食べるレストランのおすすめを聞こうかと思ったけれど小さな村だし、さっき通ったあたりに戻ればいいかなぁと思っていたら、なんとおじさんが「よかったらアスパラガスを食べないか、私の家はすぐそばだから」と言った。アスパラガスが今シーズンで、特別に手に入れたばかりだという。私は、一瞬え?と思った。なんていったらいいのか、まず、迷惑ではないのかな?家って、家族は?いきなり変なアジア人きたらびっくりするでしょ?と思ったけれどとっさに何も言えず、おじさんのほうから「一人で暮らしているから」といわれた。どうするべきか、すばやく判断しなければならなかった。迷惑ではない、としてでは安全性は?とりあえず、フランスという先進国に住んでいるので、金銭を狙われるということ、パスポートを奪われるなどということは考えなくて良い。以前の職についてもきちんとした職についていたようだしおかしな人の感じはない。女たらしで誰でもいいといった話し方ではなかったし、危険性はきわめて少ないように思えた。もちろん殺人鬼だったりとか巧みに犯罪を犯すような人だったら私には見抜けなかったのかもしれないけれど、犯罪的要素がないと仮定したならば、この目の前のおじさんはきわめて紳士的で安心感を感じられるタイプの人だと思った。それでも私は女性の一人旅なのでよくよく考えた。結局、フランス人の家に訪問してみたいという気持ちもあり、おじさんのアスパラガスをいただくことにした。

 おじさんの家は本当にそこからすぐそばで、帰り道に私に出会ったというかんじだったみたい。アスパラガスは食べたことがあるか?ときかれたので、ドイツで食べたような白いアスパラガスのこといってるのかなと思ったけれどおじさんの言っていたのはグリーンだった。それが今シーズンだということだった。

 おじさんの家到着。外見は結構朴とつ?というのか、素朴な感じだけれど中はかわいらしかった。おじさんの一人暮らしって、失礼だけれど部屋が散らかっているのかと思ったけれど物は多いが衛生的できちんとしているように思えた。もちろんいきなりゲストが来ると思って備えていたわけではないので、部屋が散らかっていてソーリーといっていた。

 おじさんの部屋にはアフリカのお面や人形がたくさんあって、以前滞在していた10カ国以上というのも主にアフリカだったみたいで、その中から木でできた絵本を出して見せてくれた。本なので意味があるそうなのだけれど、その意味についてはおじさん本人も忘れてしまっていた。他にもいろいろあるみたいで、これもあれもと見せてくれようとする。かわいらしいおじさんだった(笑)日本には来たことないようだったけれどインドネシアには滞在した経験があるそう。

 そしておじさんの家のテラスからの眺めが最高だった。古い教会もみえるし、なによりサオルジュの家々が本当に最高のポジションでみられるのだ。オリーブの木が少し邪魔をしていて見づらい感じはあるのだけれど、庭にでるとさらによく見える場所があった。

     
 ↑古い教会が山の中にたたずむ感じで見られた。    ↑横にしても美しい。
     
 ↑かわいらしいテラス。    ↑5月なので緑も青々。
     
 ↑隣の谷が何とかという谷でイタリアまでどれくらいで、
って熱心に説明してくれた。
   ↑空気もよくて心地よい。ここにいると絶対若返る(笑)
     
 ↑右端のオリーブの木が大きくなっているので見づらいのだけれど、
バルコニーからもサオルジュの旧市街の家々がみえる。
  ↑ナイスビュー。 

 おじさんは、まだまだ見せたいものがあったのかもしれないけれど、アスパラガスを作るという使命があったので料理をし始めた。アスパラガスの他に、子ヤギの肉があるからそれを作ってくれるとのこと。子ヤギも近辺の村でわざわざ殺してもらったものだそう。これも今の時期がそういう時期だということ。ヤギや羊の肉は私は臭みが苦手なので少し不安だったけれど、好意を断ることもできなかった。

 テラスか部屋の中かどちらがいいか?と食事をする場所についてきかれた。テラスの眺めがよかったので外にしてもらった。あっという間にテーブルセッティングがされた。男性の一人暮らしなのにちゃんとそろっているというのがフランス人なんだろうと思った。部屋の食器棚の中にナプキンやクロス類が、食器などとならんでたたんでしまわれているのがみえた。おじさんが日ごろからどれだけゲストがくるのかわからないけれど、一通りそろっていてすぐにでてくる、普段使わないかもしれないものにも気を使えるなんてね。なんか自分は女性でインテリアも食器も好きなのにそういうふうにできていないので反省した。

 ソーリー、今うちには赤ワインしかないんだ、とおじさんが言った。私は飲めないんです。と言ったのだけれど、あんまりそういうのって信じてもらえないのだよね。まあ、まったく飲めないわけではないので一口くらいいただくことにしようかと思った。ワインが楽しめる体質だったらフランス旅行ももっと違う面からの楽しみかたがあったかもしれないが、飲めるたちではないので仕方ないよね。その分お茶とか好きだからいいか。 

 アスパラガス登場!なんか、手作りの料理を目の前に写真撮影ばかりしていたら無礼だと思って料理の写真はおじさんが席をはずしたときにしかとらないようにした。アスパラガスは大きめのアスパラガスでナイフとフォークで切って食べてもいいくらいだったのだけれど、そうしているとどうして手をつかわないんだい?とおじさんに言われたので素手でいただくことにした。ソースもおじさんの手作りで確か酢と何かを入れて、卵の黄身も入れてるんだって。ソースもちゃんと二人分用意してくれて、それからさっき書いた子ヤギのお肉は私のためだけに作ったといっておじさんは一切しか食べなかった。もっとどうぞって薦めたけれど自分にはこれだけで十分だって。子ヤギのお肉、すごくおいしかった!ぜんぜん臭みもなくてやわらかくて。たぶん香辛料の使い方がよいのじゃないのかな、なんのハーブだったのかわからなかったけれどとってもおいしかった。おじさんが、この部分は脂がいっぱいだから残していいよ、とか言ってくれて本当やさしいですよ。おじさんの家の庭?敷地内にはローズマリーも茂っていた。入ってくるときにこれは何だかわかるか?ってきかれて、ローズマリーと答えて正解だったからいいけれど、頓珍漢なこと言ってしまったらちょっと恥ずかしかったかも。なんというか、ハーブの名前や植物の名前などを西洋人の男性と話す機会はこれまであまりなかった。英会話のレベルが上級になってからも、世界中を仕事で回ったことのあるオーストラリア人や、定年退職したアメリカ人、30-40代オーストラリア人の先生といろんな英会話の先生と英語を話してきたけれど、ハーブや花の名前について会話できるような人はあまりいなかったな。料理をする人は自分の作る料理に使うハーブの名前、たとえばベイリーフ(ローリエ)だとか、パセリ、コリアンダーくらいはわかるけれど、細かいことは興味がなさそうだった。たとえばそのハーブはどのような形状で生えているのか、だとか、乾燥させてものでは味が香りがよくないんだとか、外に咲く花の名前だとか、そんなことを知っている男性ってあまりであったことがなかったなぁ。田舎暮らしかどうか、あとは年齢とかが大きく関係があるのだと思うけれど、一般的にフランス人は花をめでる習慣があり、そしてまた食に大変気を使う。南仏に来る前にピーター・メイルの著書を読んだけれど、それを読んだだけで南仏の田舎の人たちのそういった意識の高さを感じたくらいだから、やっぱりそうなのだろうなってすごく納得した。私も少々ハーブのことや花のことを知っていて本当によかったなと思った。

     
 ↑おじさんは手際よくテラスにセッティングを始めた!    ↑あっという間にできたテーブル。めちゃ立派で驚く。
突然の通りすがりの外国人のためにこんなにしてくれるなんて感激!
     
 ↑パン。見た感じは全粒粉がいくらか入ったパンだね。味はプレーン。   ↑ワイン、水、調味料等。 
     
 ↑残り2本になってしまったがおいしかったアスパラガス。
 ゆでただけのものにソースをつけていただく。
   ↑おじさん手作りソース。
     
 ↑左がイタリアのパルミジャーノ。右はヤギのチーズ。    ↑ブルーバードとイエローバードとどちらがいいか?ときかれてブルーといったらでてきたお皿。イエローは同じ柄の黄色だった。
     
 ↑ラズベリージャム。農家の人が作っているジャムらしい。   ↑別の村でこちらも養蜂の人?が作っている蜂蜜。これもおいしかった。 

テラスで食べていたら急に風がびゅーんときつくなった。寒いんじゃないのかい?とすかさず室内に移動を提案してくれた。今朝のタンドに比べるとサオルジュの気候はとてもすごしやすかった。おじさんにそういったら、タンドとサオルジュの気候はぜんぜん違うとのこと。サオルジュはニースから1時間くらいなので海からの暖かい風があるけれど、どの場所だったか私は忘れたけれどそれより奥はその風が来ないからなのか、こことは違う気候になって寒いそう。サオルジュータンド間はそんなに遠くないみたい。それでも体感温度はぜんぜん違った。今日のタンドではテラスでご飯食べるなんてありえない。サオルジュに住むおじさんは車でタンドにいったり、他の村に行ったりしているみたい。サオルジュ自体はとても小さな村で住民400人くらい。私はこの村の生活が大いに気になった。外国人は住んでいるか?ときいてみたら、何組が住んでいるんだって、別荘のようにして時々滞在する人もいるし、割と若い世代で何か他のビジネスをしていて、ここに住んでいる人もいるとのこと。

アスパラガスと子ヤギの肉が終わったら、チーズもだしてくれた。ヤギのチーズとパルミジャーノだった。パンもバターも出してくれていて、それからソーリー、お客さんが来ると思っていなかったからデザートがないんだ、と何度か言っていた。デザートといわれて思い出したけれど40代オーストラリア人いわく、デザートという言葉はおばあちゃんが良く使っていた言葉で、他の人はスイーツという言葉を使うとのことだった。ところ変われば使う単語も違って面白い。けど一番面白いのは、フランス人はHの発音ができないということだね。できないというか、Hが無声なのだろう。だから“Hand”は“And”になるし、それを知らないと聞き取りにも支障がでてくる。ニースのホテルのウクライナ系らしきフロント係の人はHの発音ができていたけれど、他のフランス人は大体Hが抜けていた。ふむふむ、面白いことだった。

ヤギのチーズは日本で食べるのと同じ感じで癖があって少し食べにくかった。パルミジャーノはすぐ近くのイタリアからの本物のパルミジャーノであるから?こちらも重くてあまり食べられなかった。おじさんにチーズをあんまり食べていないねぇって言われたけれど、ごめーん体質的にたくさん食べられないんだよね。野菜ならいくらでも食べられるけれど、食生活がやっぱり違うからかなって思う。

 デザートはないんだけど、あれがあった!と蜂蜜とラズベリージャムを出してくれた。どちらも近隣の村の人が手作りでつくっているものだそう。フランスでもオーガニックの食品はとても人気で、フランス語では「Bio」というらしい。こちらはBiologyからきているのかなと思ったのだけれど、英語のOrganicとは大分イメージ違うよね。

 紅茶も出してくれた。コーヒーは何種類かあるけれど紅茶は一種類しかなくて・・・アールグレイでいいかな?とトワイニングの缶を出してくれた。この成り行きからするとティーバックがでてくるのかとおもったけれどちゃんとしたリーフティー。十分ですよ!もしかして、ティーバックって喫茶店とかでしかでてこないのかなぁ・・・。大きなカフェボウルに紅茶を淹れてくれた。おじさんは、直火で沸騰させられる小さなカップにお湯をいれて沸かして、それを器にうつしてコーヒーを淹れて飲んでいた。私はコーヒーに詳しくなくてわからないのだけれど、コーヒーがとっても細かく挽かれたやつだそうで、香りをかぐだけでストロング!ってのがよくわかった。私にはとても無理そうだった。

 ラズベリーのジャムは本当に手作りって感じでとてもおいしかった。蜂蜜もおいしくて普段は紅茶はストレートで飲むのだけれど蜂蜜入れてみた。予想通りよかった。おじさんはこういう食べ物にもこだわりもって買っているのがよくわかった。アスパラガスも子ヤギの肉も、わざわざ買いに行ったみたいだし。ラズベリージャム一瓶とか男性一人で食べるのかなって思ったけれど、まあこういうお客さんが来るのかな(笑)あと胡桃だとか、バナナのお菓子(これはどこかからの輸入品のよう)も出してくれて、ほんとうにあるもの全部だしてお客を喜ばせようということに燃えているおじさんのようだった。その割にたくさん食べられないのでちょっと申し訳ないような。

   
 ↑外に出て紫の蘭を探した。   ↑終わりかけだったけれど見つかった。
↑サオルジュの村が見えた。 ↑緑が青々~、5月にきてよかった!
↑いい環境だな~。 ↑一番のショット。サオルジュの美しさが凝縮された一枚。
     
 ↑黒い実のなるオリーブの大きな木があった。
おじさんは実を取ってオリーブオイルを作ってるそう。
   

おじさんのホスピタリティーは食べ物・飲み物の提供だけに終わらず、音楽もかけてくれた。最初はJAZZでその次はオペラ。後で外にでて、家の周りの花をみた。おじさんがこの家を買ってから初めて咲いた濃い紫色の蘭があるとのこと。もしかしてまだ残っているかもしれないと探してくれたのだけれどもう終わりかけのようだった。あとは黄色い小花、アイリス、野ばら、ライラックなどがあったかな。おじさんは野ばらを摘んで部屋に飾ってときおり香りを楽しんでいた。すごいなーそんなことする男性、さすがフランス人、って言ったらいいのかな。そこからのサオルジュの町並みがすばらしく美しくて本当に絶景だった。この家を買う前はサオルジュのもっと村の中心のほうに住んでいたらしいけれど、この家は隣家と距離があるので大きな音で音楽をかけても心配ない、心地が良いとのこと。そういえば大きなスクリーンもあった。映画をみるそうだ。とっても生活エンジョイしているよね。

おじさんとは、もてなしの合間にいろいろ会話をした。よく一人で旅をするのかって聞かれたので、ヨーロッパでの一人旅は初めてだけれどアジアの国はよく一人で旅すると言ったら、おじさんも一人旅のスタイルに賛成なんだって。この村にもアジアから観光客がちょこちょこ来るらしい。だけど大体がグループで固まって移動しているので村の人と交流する機会もない。一人旅でないと、“You don’t really meet people”(人に出会うことができない、チコ訳)といっていた。それは私も同感だった。なんだろう、誰かと一緒に旅するスタイルは、その人との関係が深まり、感動やいろんな出来事を共有するすばらしさがある。それはそれで貴重なのだけれど、一人旅は可能性が無限に広がる感じ。一人でいるから見えてくること感じられることもあるし、現地の人との交流ができるのも一人でいるから、という面はある。誰かと一緒にいたら私はその人との関係性を優先するし、その人がどうしたいのかと自分がどうしたいのかということをその都度はかりながら物事を決めていく。そんなプロセス必要ないと思うのだけれど性格上そうしてしまうので私は結構疲れる。そんなくらいなら一人でいるほうが楽だし、自分らしくいられる。時間も場所も縛りがないからこそ自分が一番やりたいことがみえてくるし、考えて答えを見出すこともできる。一人で困っていると親切な人が助けてくれたり、同じような一人の人と話す機会があったり、そういうチャンスがあるのが一人旅なのかなって思った。一人だから怖いこと、気をつけないといけないことは山ほどあるけれど、それらに気を配れば、楽しい、そして忘れられない一人旅ができて、それはツアー旅行や、連れとの旅行とはぜんぜん違うものになるのだ。

他にはアフリカに長い間滞在していたときの話をきいた。長くなってしまうので省略するけれど、いろいろ勉強になった。英語をまじめに取り組んでいて本当に良かったと思ったな。おじさんは気を抜いたらフランス語を私に話しかけてしまうほどではあるけれど、英語もかなり上手なほうなのだろう。英語でのコミュニケーションは慣れているようだった。もちろん出てこない単語、いまいち??なやりとりもあるけれどね。その反面フランス語をまったく知らない私、ちょっと反省した。挨拶くらいはできるようじゃないと失礼かなって。

おじさんの現在の仕事についてはよくわからなかった。書き物を時々するとのことなのでライターなんですか?ってきいたら、そんな感じでもあるというし、難民受入の会合があるとかなんとか、あまり詳しく話す気はなさそうだった。結婚については3回したと自ら発言していた。ほー、これもフランス人らしいといったらいいの?すごいなぁ、ある意味うらやましかった。私は3回も結婚できるだろうか、と自問自答。うーん、伝統的な概念にとらわれてきっと3回はできないように思う。がんばっても2回だろうか。ああ、古臭いな、自分と思った(笑)。聞き取り間違えたのかもしれないけれど、いろんなところにおじさんの女性がいるとか、そんな感じだった。まあ、とにかく人生を楽しんでいる、そして生活や今までの自分に満ち足りているからこそ、さっきあったばかりの外国人の私を招いていろいろおもてなしをしてくれようという気持ちになれるのだろう。私は常日頃から外国人と国際交流をしたいと思っているけれど、実際自分の住む町で外国人を見かけても話しかけられずにいる。言葉もできるのに、何も話せなくて、いろんな意味でもっと勇気をもたなきゃなって思った。私がこうやって南仏の田舎でおもてなしをしてもらってすごく感動する気持ち、同じことはできないにしても、日本で、不慣れな土地にいる人たちに声かけて交流できたら、彼らも喜んでくれるかもしれないじゃないか。もしそうでないにしても、特に失うものもなにもないのにね。

名残惜しいことではあったけれど、最終の列車に乗ってニースには帰りたかったのでそうすることにした。ニース行きのサオルジュ発の最終列車は1750発と私の調べてきていた紙には書いてあったのだけれど、隣の駅のブレイユ・シュル・ロワイヤ始発でもうひとつ遅い1920の列車があることがわかった。おじさんの家からはブレイユ・シュル・ロワイヤの駅まで車で6分だというのでそこまで送ってもらうことにした。これで行きに通ったトンネルを通る必要はなくなったしとてもありがたかった。

列車に乗る前にブレイユ・シュル・ロワイヤに教会と旧市街があるので見てみることにした。イタリアの国境近くの村に時間があったらいけたらよかったみたいなことをおじさんは言っているようだったが、残念、このタイムスケジュールだと難しいよね。車でブレイユ・シュル・ロワイヤに移動。モナコ、フランスのバスの運転手がそうであったように、おじさんもカーブを曲がるときに減速しないですごいスピードで曲がる。これはこの国のスタンダードのように気がしてきた。私にはこういう運転できないし、同乗したらすぐに酔いそう(涙)

■ブレイユ・シュル・ロワイヤ観光

 お店が営業しているのをみて、おじさんは驚いていた。今年はメーデーと日曜日が重なっているのでやっていないところが多いみたい。教会ももしかして開いていないかもしれないといったのだけれど、やっぱり開いていなかった。残念だけど、仕方ないよね。旧市街を歩いてみる。静まり返っている。

 それから池があるというのでそれをみる。綺麗な水で魚もいるみたい。だけどそばで魚釣りをしている人にきくと、魚はとれていないそう。池といっていたけれど、川を人工的に堰きとめているところが池のようになっているだけだった。でも水は綺麗で気持ちよい光景だった。

 おじさんが、思い出したようにこっちに巣がある、と連れて行ってくれた。橋のすぐ下、川の土手部分に大きな白鳥が卵を温めている。卵は見えなかったけれど白鳥の姿はよくみえた。こんな人間がすぐ近くまでくる場所に巣をつくるなんて、よほど彼らにとって安全な地域なのだろうなと思った。どれくらいしたら卵はかえるのだろうね。

     
 ↑素朴な感じの教会の壁。    ↑教会の道路側の壁に穴があいていて鳩の家になっているんだよね
     
 ↑ここも中は美しいらしいが、メーデーのため開いていなかった。    ↑残念。またこられるだろうか?
     
 ↑教会。車をここに停めて散策。    
     
 ↑水は綺麗。    ↑ここで小さなダムのように堰き止めているので湖のようになっている。
     
 ↑卵をあたためていた白鳥さん。橋からすぐ近くだったので少し驚いた。
おじさんが後で孵った白鳥の写真を送ってくれた。
   ↑ブレイユ・シュル・ロワイヤの人口は2500人くらいだそう。
サオルジュに比べると多いね!
     
 ↑背に迫る山はやはり高し。    ↑ここは鷲の巣村ではないようなので、
車も使いやすく生活は便利なのかもしれない。
     
↑鴨のファミリー    ↑看板もフランス語。読めるものと読めないものが。
パーキング、郵便局くらいはわかるが。
     
 ↑小さな支流が流れ込んでいるところ。なんでも絵になるねぇ~   ↑山はやはり高い。 

 列車に遅れてはいけないからと駅に早めに到着する。そこでまず列車が定刻かどうかを確かめて、それから駅のバー?のようなところで飲み物を飲んだ。店員さんは金髪セクシー女性だったのだけれど、おじさんが彼女はルーマニアの人だと教えてくれた。フランス生まれなのかなとおじさんにきいたらそうではなさそうとのこと。出稼ぎか何かでフランスに移住しているのかもしれないね。ここで働いているのだから必要なだけの言葉もできるのだろう。室内でジャックのような犬と人間がボール遊びをしていた。ジャックは私たちのことなんてお構いなしだからボールが私の足にもあたる。ボール遊びに夢中になっていてかわいいけどね。

■列車に乗る。

 時間がきたので列車乗るところまでおじさんはみおくってくれて、あっけなくボンボヤージュといわれてさよならだった。なんか私もどうやってお礼を言っていいのかわからず、Thank you very much.とかそのあたりのことは言ったけれど、うまく表現できたとも言えず、でもおじさんはすごくあっさりしているし、どんなに感謝しているかということを熱弁するような機会もなく行ってしまった。日本人的感覚なのか、それとも男性と女性の違いなのかわからないけれど、本当にボンボヤージュ以外何もなかった。気をつけても、メールをくださいね、もまた機会があったらこの村を訪ねてください、も。海外10カ国以上の国に滞在した経験に基づいて、その場だけの言葉を口に出してもそれらがかなう可能性がすごくすくないことを知っているからなのか、もう自分の家を離れてあとは見送りをするという任務を終えることに重きを置いている、あるいはその後のことに頭忙しくしているのかわからないけれど、日本人的にはかなうかかなわないかわからないにしても、またきてください、はい、ぜひまた来たいです。いつかまた会いましょう、お元気で。なんて別れのやり取りをするのかなって思った。確かにここがアフリカだったり、相手が発展途上国の人だったりしたら、そんな空虚な言葉は口にしないけれどお互いに先進国の人だし、私は旅が好きだからまたフランスに来てくださいねくらい行ってほしかったけどね。

 そんなかんかでちょっと考えながらタンド線にてニースまで揺られて帰ってきた。

 ニースは今回の旅においてホームではあるけれど、タンドとサオルジュという小さな村をみてきた後には、都会の便利さと非常さみたいなのを感じてしまった。いや、ニースだって長く滞在して親しい人ができたら暖かい町に変わる、ただそれだけのことなのだろうけど。そういう意味で、ニースとタンド線沿線の町との旅はとても良いと思った。ニースを都市としてみると、タンドやサオルジュのような村は生活がガラッと違う。特にサオルジュはニースからそれほど離れていないのに別世界のように思えるからそういうのを楽しめるということでもタンド線お勧めしたい。サオルジュよりも近いところにはソスペルという駅もあって、そこも地球の歩き方に書かれていたと思うので訪れる日本人も多いみたい。避暑地のようなので私のイメージする山の田舎とは違うかなということで私はタンドとサオルジュを選んだ。おそらく、その他の地域もそれぞれに美しい景色が見られたり、暖かい出会いがあったりするのかもしれない。ただ、ファンタン・サオルジュの駅のように、駅から村中心部が遠くて徒歩ではいけないようなかんじかどうかだけは前もって調べておかないといけないね。

     
 ↑どこの村かわからないけど車窓より。
サオルジュを出発してわりとすぐの村。
   
     
 ↑行きも写真に撮った気がするがPeillon-Ste-Thecl    ↑トイレも駅舎の横に発見
     
 ↑車内の向かい合わせの席。    ↑落書きみつけた。
     
 ↑LA TRINITEという駅    

■アジアンファーストフードで夕食

 夕食は駅のすぐ近くの、いつも通りかかって気になっていたアジアンファーストフードのお店に入った。主に中華料理のおかずと、あとは麺類だとか揚げ物だとかがある。品数は多い。フランス人カップルなども利用しているし、おじさんの一人利用も結構多かった。値段は安いとはいえないけれど、ファーストフードなので一人利用しやすいのかもしれない。

 私は酢豚とベトナムフォーを注文。注文をとってくれた男性はベトナムかカンボジア系の顔だった。若かったけれど留学生だろうか?英語は聞き取りやすい。

 酢豚は外見から想像できるような味。フォーはお肉に火が通っていなくてまだ赤いんだよね。それがどうしても気になってしまった。フォーの味は雑な感じ。まあ、本場ベトナムで食べるものにしても、日本で食べるベトナムフォーにしてもおいしかったのはファーストフードではなかったしね。ここはフランスだけれどファーストフードだから質が落ちるのは仕方のないことか。

 ふと、お昼はサオルジュでおじさんに暖かいおもてなしをしてもらったばかりなので、一人で食べる半生肉ベトナムフォーの食事は味気なさすぎたけれど、仕方ない。なんというかサオルジュでの滞在はとても心地よかった、だけど自分は最初に決めた大まかな計画を変更することまではできなかった。明日はニースで週に一度の骨董市がありそれに行きたかったし、ガラスの町ビオットと、焼き物の町ヴァロリスに旅行が終わるまでに訪れるつもりだった。それらは日本で自分で調べて行きたいと思って決めた場所であるし、簡単ではあるが下調べもしてきた。それを、キャンセルだとかするほどの大胆さや余裕みたいなのはなかなか持てないんだよね。もしかして今を楽しむってそういうスケジュールにこだわらずにいることなのかなって思うこともあるんだけど、やはり慎重派の方なのだろう自分は。

     
 ↑フォー   ↑酢豚 

アジアンファーストフード
5.3ユーロ(たぶん酢豚の方)
6.9ユーロ(たぶんフォーの方)
合計12.2ユーロ

ホテル到着。

この時間まで起きていても、だんだんと体が慣れてきた感じ。やはりこちらは日が長いからかな。おやすみ。今日はいい体験ができた。サオルジュのおじさんに感謝!

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