4日目 トラブル発生蘇州観光、そして上海へ戻る

■ここへ行かねば蘇州に来た意味が無い?虎丘へ

 今日は悲しいかな雨だった。今回の旅行は雨が多すぎる。雨の日に外出するのは本当に体が冷え切ってしまう。でも仕方が無い旅行中は時間は貴重だ。今日は昨日留園であったおばあちゃんがおすすめしてくれた虎丘にいこう。ホテルをでてすぐにリンタクがいたので虎丘まで5元でいってくれるかきいたらOKというのでそれにのった。リンタクは1キロ2元となっている。虎丘までは2.5キロ以上あったけれど運ちゃんは5元でOKだといっていたから心配しないで乗っていた。友達とこれだけ走って5元なんてかわいそうだね〜なんて話をしながら。蘇州の人っていい人?なんて思いながら、虎丘ついて運ちゃんがいっていることが5元じゃなくて15元だということに気づくまでは。虎丘について5元をだしたら15元だといわれた。さっき5元だといったじゃないかと言ったら、彼は15元だという。なんだよー、はっきりと発音しろよ。全然15元とは聞こえなかった。おっちゃんはまわりにいる蘇州人までまきこんで、あそこから虎丘まで5元でいけるわけがないと言い張る。何キロの道のりなんだ?と。しかし私たちは15元というのを飲んでリンタクにのったわけじゃないよ。15元ならタクシー乗っているよ。リンタクつったってこっちも寒いんだよ。寒いし時間もかかるしそれで15元なんてふざけている!友達も絶対15元はありえないからといって、結局10元おいて逃げてきた。おっちゃんは15元の要求は正しいとおもっているから怒っていたけれど追いかけてこない辺りをみたら私たちの10元もそれほど適切な値段から離れていなかったということだろう。

■いざ虎丘の中へ

 気を取り直して虎丘に登ろう。綺麗な塔が見える。雨が降っている中丘に登るのは寒かったけれどきっと綺麗な景色が見えるだろう。中には馬がいた。馬車をひいて一周してくれるみたいだ。あとは電動の観覧電車みたいなのも。もちろん私たちは乗らなかったけどね。中は人で一杯だった。季節が悪くても各地から沢山の観光客がやってくるんだね。上海ではあちことで日本人をみかけたけれど蘇州でも観光客の中に占める日本人の数は少なくは無かった。大体がツアーに参加の大人数か、少人数ツアーに中国人のガイドをつけているか。大体が40歳以上の男性が多かった。若い女性も少しだけみた。この辺りで留学生をしているぽかった。身なりが軽かったから住んでいるところからそのまま観光にやってきたのだろう。私たちは日本人に見られないから話し掛けられることもなかったけれどね。
 虎丘にある塔は天候が悪くて登れなかった。いつもは登れるのかわからないけれど、地盤沈下のために現在では15度傾いていて、登るのがちょっと怖い気がした。寒くてあんまり活発に動けなかったけれどもし天気がよければ、虎丘は結構いいスポットのような気がする。私は個人的に丘とか高いところが好きだから留園などの綺麗な公園よりも、ちょっとした丘などに登るほうが好きだわ。もし蘇州に住んでいたら私は留園にいくことより虎丘にいくことを好むだろうね。

裏門から塔を見上げたところ 斜塔アップ!
この斜塔は地盤沈下のため15度傾いている。
虎丘脇の川で船に乗る人発見! 近くでみるとかなり左右に揺れるようだ。

■虎丘の出口付近で昼食

虎丘をずっと奥までいくと北門にでるのだけど、そこからはバスがほとんどでていなくて不便なために南門に戻るようにいわれた。仕方なく南門へもどることに。南門のところには沢山のお店がでていた。ちょうど食事時でもあって客引きが多かった。私たちも寒くてお腹すいていたので何も考えずにその辺りの小さなお店に入ることにした。
 お店に入ったときにおばさんの怒鳴り声がした。「私はスープは頼んでいない!」というのしか聞こえなかったけれどすごい剣幕だった。スープごときでそこまで怒るか!?っていうくらいだったんだけど私はそのときもっと感を鋭くして気づくべきだった。
 私たちは寒いから2階の個室に案内されてお茶を出された。おじさんが注文をとってくれた。何を食べようかなーと思って、蘇州も今日で終わりだからこの辺の名物を食べてみようと思った。おじさんのオススメの桂魚をたのんだ。桂魚をあげてトマト系のソースで味付けしているものだ。私は北方の魚が泥臭くてほとんどたべないのだけど、南方の魚は結構すきだった。値段をきいたら10元だというから、そんなに高くないしそれにすることにした。後一品は野生の鴨の鍋にした。値段は60元といわれて少し高い気もしたけれど、野生の鴨が一羽、生殖器もはいっているというし、他に青菜も入っているし、二人でちょうどよいくらいだというので、ちょっと奮発してそれにすることにした。あとはご飯を2つ頼んだ。飲み物は最初にだしてもらったお茶があるので他には頼まなかった。
 でてきた桂魚はおいしかった。ちょっと魚は小さめで最初におじさんが説明していたえびははいっていなかった。鴨の生殖器はみあたらなかったけれど鴨は一羽ちゃんと丸ごと入っていた。二人で全部食べて満腹ってほどではないけれどまあまあいいくらいだった。お茶もおいしいし、まあまあ満足かなと思った。

虎丘でたところ、水郷のような雰囲気
公衆トイレ 民家?蘇州はバイクが多いような気がした。
電動自転車も多い ここは電動自転車、洗濯機などを修理するお店だと書いてある。

■トラブル発生!

 最初におじさんと話したときに私の友達が日本人だということを言ってしまっていた。まあそれでどうにかなるとはおもっていなかったけれど、勘定するときになってやっとあのおばさんが憤慨していた意味がわかった。2つの料理と白飯で272元といってきた。ありえない。値段の計算をみせてもらうと、鴨が68元、お茶が2杯で20元、ご飯が2碗4元、そして魚が180元だった。魚は10元だといったじゃないか?といったら、10元100gだという。そして魚が180gだったから180元だというのだ。魚の単位は普通は1斤(500g)だ。中国のどこにいっても100g単位で魚の値段を表現する人はいない。日本人だと思ってだましているのが明らかだった。そしてなんでお茶が20元なんだ、あのお茶は私たちが注文したんじゃないし、普通はフリーじゃないのか。鴨も60元といってなんで68元やねん。こんなお金払えるわけが無い!ふざけている。誰が高級料理店でもないこんなおんぼろ店で2皿頼ん272元も払うのか。「高すぎる、こんな金額ありえない、もう一度計算しなおして!」といったら、「わかったちょっと安くしてあげるからといって、270元にしてあげようといった」。あほか!むかつくので私はもう「100元しか払わない」といいはった。こんな店に100元払うのも腹立たしかったけれどそういいはるしかなった。向こうは「100元なんてありえない、魚は春節のこの時期いくらすると思っているんだ?」といってきた。この人たち本気で272元が正しい金額だと思っているみたいだ。日本人つったってね、私たちは中国に住んでいるんだよ。ものの値段くらいわかるよ。「派出所はどこだ?派出所にいこうじゃないか」お店の人も本気で自分の要求が正しいと思っているから派出所に行くことをとめなかった。「一緒にいこう」といってすぐ近くの派出所へいった。ずっとやつは魚は高いと説明をしてきた。ふざけている、派出所のすぐ近くまでいってずっと下げなかった値段を、「わかった、150元払ったらOKにしよう」といってきた。150元でも高すぎるよ、「私はさっきもいった。100元しか払わないってね」といった。150元でも儲けがでるように設定しているのだろう。最初の272元は一体何なんだ。

■派出所へ行く

 派出所で女性の人が対応してくれた。向こうは言い分を沢山話して私たちももちろん値段を聞いたときは1斤いくら?ってきいたんだといいはった。実は一斤いくら?ってきいてはいないんだけど、一斤いくらの意味できいているのが中国ではあたりまえだからそういう風に聞いたといいはった。だれもそこまで否定する人はいなかった。派出所の人とは彼らは蘇州弁で話すから聞き取れないけれど、魚を100gで計算する人は中国にはどこにもいないと彼らにいっているのはわかった。派出所の人も一体どれくらいの大きさの魚だったかみたわけでもないし、彼らの値段が高いとか安いとかいうことはできなかった。ただ双方の金額を折り合いをつけて解決を手助けすることしかできないといっていた。彼らはずっと魚が高いからと言い張っていたけれど私たちはずっと100元しか払わないとしかいわなかったから向こうもいつのまにか120元まで下がってきた。そこで派出所のおばさんが、間をとって110元にしたらどうだ?ってもちかけてくれるので、それならOKか?ときいてきた。うちらは10元譲ることすら嫌だったけれど、それよりもすでに時間が大分たっているので早く解決したかった。派出所の人も「たった10元のために争うのは無駄だから10元はあきらめた方が賢明よ」といわれて、そうかなという気もしてきた。私達にとって10元はいたいお金ではないのは確かだからね。でも店側は120元から下げようとはしなかった。最初派出所にはお店からは一人の35歳くらいのおじさんがきてただけなんだけど、急にその奥さんがやってきた。彼女はかなり憤慨していた。「おまえ達はご飯を食べてお金を払わないのか!なら食べたもの吐き出せ!魚は今の時期高いんだ!1円だって少なくはできない!!」と120元まで下げた旦那にすら少し切れている。そしてちょっとつかれてきている旦那を「店に帰れ!」といって、自分が残ると言い張った。その奥さんは普通語があまり話せないみたいで何をいっているかききとれなかったけれど、旦那も奥さんの剣幕にちょっと帰ってしまいそうだった。けど派出所のほうは彼女の憤慨のしようは尋常ではないので、この人が残ったら解決できそうにないというのがわかってて、奥さんには帰ってもらうように説得した。「お店があるんだから貴方はそっちに帰っていないさい。」と。旦那さんの方が理性的に解決することでできそうだった。彼女はまったくもって話し合いの余地すらなくて今にも殴りかかってきそうだったもの。
 派出所には最初公安の制服をきたおばさん一人であとは50歳くらいのおじさんと60歳のおじいさんと若い人がいたんだけど、その50歳の普通語をはなさないおじさんも制服を途中から着始めたので実は彼も公安の人だったということが判明。まったく普通の一般市民だと思ってて私も「ちょっと!普通語話してくれないと聞き取れないわよ!」といってしまったくらいだった。公安の人だったならちゃんとお話しなきゃだめだったわね、と思ったけれど別に怒っている様子もなく、普通に私たちに話し掛けてくる。それでも普通語じゃないからききとれないのだけど。

■ようやく決着

 公安のおじさんとおばさんのおかげで結局110元払って話をまとめることができた。相手も120元と言い張っていたけれど結局あきらめたのだろう。お店の旦那の方も悲しそうだったけれど、もうあきらめたという表情も感じられた。逆に奥さんはさらに憤慨、泣き出してしまった。そんなに魚が高かったのか。110元ではそんなに大きな損がでるのか。それならどうして最初から人をだまそうとしないで少し高めに請求するくらいにしておかなかったのか。2品の料理で272元なんてことはありえない。日本人だと思って馬鹿高い金額を要求したのが間違いだったんだよ。一斤いくらと計算するべき魚を100gで計算したりという狡いことをするからこんなことになるんだよ。
 正直彼女が泣き出して初めて私たちの110元では彼らがコストを割ることがわかった。10元や20元で困ることの無い私たちなんだからそんなお金情けだと思ってくれてやればよかったかなとちょっと心が痛んだけど、彼らにとってもいい教訓になるだろうと勝手にいい解釈することにした。奥さんは憤慨してこっちをみた。「私が泣いているのをみておまえは笑っている。楽しいのか!?え?!私が泣いているのをみて楽しいのか?!」「私の息子はもっと背が高くて体がかっちりしている、お前を殴ってやるからでて来い」といいだした。「殴ってやる!」「殴ってやる!」「外に出ろ!」と。派出所の人と旦那がなだめて先に帰ってもらうことにした。が、彼女が待ち伏せしていることは明らかだった。派出所から一歩でたら殴られる。公安の人も「ちょっとここにいなさい。じゃないと彼女に殴られるから」といった。
 私たちはそこに座ってぼーっと待っていた。公安のおばさんがその間ちょっと話をしてくれた。「私も昨日レストランで魚を頼んだら、一皿98元もしてびっくりしたよ。でも私は高すぎる、私は公安だから安くしろなんていわなかった。春節の魚は高いから。貴方達は今日は少しやりすぎだったよ。120元だしておいたら彼女もあんなに怒ったりはしなかった。10元をけちったために彼女は怒って貴方達は彼女に殴られる危険がでてきた。彼女が泣いたのをみたかんじ、コストはやっぱり110元以上だったんだよって。公安は貴方達と彼女達の間にはいっているだけで、どちらも方にもつかないけれど、公安が日本人の手助けをしたって、私たちに意見をもち始めたよ。」と。うーん、確かにそうかもしれない。公安のおばちゃんの言う通りだけど、でも私たちにもあの魚が一体いくらだったのかわからないし、272元だといってきたときにもうすでに明らかに高すぎてだまされているのがわかった。それからは何を言われても、彼女等にあげるには高いとしか思えなくなった。

■派出所にて時間をつぶす

 外は雨。寒いけれどただひたすら時間が経つのをまった。お店の奥さんは何度か現れた。本当に待ち伏せしているようだった。この様子じゃでていったら本当に殴られるかも。今日は上海にもどらなきゃならないし、時間のロスだけど今すぐでていくこともできないし。はー、ただ待つしかないんだよね。それからそこで数十分まった。もう長い間あのおばさんはでてきていない。そろそろ本当にあきらめてお店にもどったかもしれない。でも外に出るのはまだ少し不安だ。公安の人ついてきてくれないかなぁと思った。タクシーに乗って今すぐこの場所から逃げ去りたいけれど、派出所の前は狭い道で虎丘の入り口までいかないとタクシーは乗られないらしい。公安の人がそこまでついてきてくれるらしい。よかった。公安のおばちゃんとおじちゃんがついてきてくれた。お店のおばちゃんはいなかった。もうあきらめたのだろう。きっとむかついて数日間はそのむかつきを忘れられないだろうけれど、殴るために待ち伏せすることはあきらめたのだろう。よかった。私も体力に自信はないから殴り合いなんかはしたくない。公安の人はタクシーの乗れる場所まで送ってくれた。公安の制服を着ているおばちゃんとおじちゃんは、とっても光って見えた。彼らだって家にかえったら普通のお母さんとお父さんなのだろうけれど、今はとっても輝いて見えたよ。ありがとう。通りがかりの日本人にやさしくしてくれて。

■さようなら虎丘、寒山寺へ

 さあ、タクシーに乗ってさっさとこの場所を離れよう。ここにいるのは危なすぎる。蘇州のタクシーは上海フォルクスワーゲンのSANTANAだ。初乗りは10元。その運転手さんは女の人だった。20代後半から30くらいだろう。よく話をするお姉さんだった。私たちはとりあえず次の目的地、盤門にいくことにした。盤門は城郭時代の様子が見られるところらしいのだけれど、運転手のお姉さんは今の冬の時期そこにいっても面白くないという。それよりか寒山寺の方がいいわよというので、寒山寺にいくことにした。虎丘から寒山寺はそれほど離れていなかった。お姉さんは寒山寺の寺はそんなに有名じゃなくて若い人は誰もいかないけれど、楓橋というところは有名だから是非いってねとすすめてくれた。楓橋というのは私は寒山寺の一部かと思ったのだけど、実はとなりに面しているだけだった。お姉さんは寒山寺じゃなくて楓橋の入り口に「着いたよ」といっておろしてくれた。チケットを買うところできいてみたらそこは寒山寺の入り口ではなかった。寒山寺の入り口は違う場所だという。確かにお姉さんとの会話で「楓橋はいいところよ〜」「わかった行って見る」とはいったけれど「そこに降ろしてー」とは言わなかったよ。まあいい、歩いていけるみたいだから寒山寺の入り口まで歩いていこう。そしたらバイクタクシーのおばちゃんが寒山寺まで2元でつれていってやるぞといってきた。面倒だからもういらないといっておいたんだけど、歩き出しているのについてきて「一人1元でいいんだよ、乗らないか?」としつこく勧誘してくる。ためしに「2人で1元なら」といったらすぐにOkだったのでそれに乗ることにした。その運転手のおばちゃんも、寒山寺は面白くないから楓橋の方がいいという。「楓橋はそんなに面白いの?」ってきいたら「面白いったらありゃしない!」という返事だった。思ったけれど蘇州の人は「○○たらありゃしない」っていう「○○的不得了」という表現をよく使う。寒山寺についたらおばちゃんは「楓橋に戻るか?2元で連れて帰ってあげるよ」といったので、このおばちゃんは自分の利益向上のためにもそう言っていただけなのかもしれないと思ったが。

■寒山寺観光

 寒山寺は面白くなくて有名でもないといわれる割には訪れる人は多かった。誰が老人しか寒山寺に行かないといったのか、若い人も、日本人も結構いた。目立ったのは広東語の通訳さんだった。わざわざ広東語で説明するということは大陸じゃなくて香港の方からきているのかもしれない。大陸でも広州など外からの人が多い地域ではなさそうだね。それだったらツアーの中に広東語を理解しない人がでてきて、広東語で説明する意味がなくなってきてしまうから。それにしても広東語は好きだわ。香港に住んでいる人のメルマガに、同じ中国語でも北京語はクラシック、広東語はパンクなロックだと表現する人がいるといっていたけれど、私にとっては広東語は魅惑的な響きを持っている。いつか香港に移住して広東語をマスターしたいなと思っているんだけど、その夢はいつになったら実現することだろうか。
 寒山寺はお寺だから、お坊さんの姿が見られた。ノートを持って歩いているお坊さんや、大きなろうそくを直しているお坊さん、あとはカップラーメンを手にもって歩く人お坊さんもいた。カップラーメンはみたくないなぁと思ったけれど誰かに頼まれたパシリかもしれないよね。そういえば四川の峨媚山にいったときも、お坊さんが携帯片手に電話をしながらお寺をうろうろしていた姿がみられたよ。お坊さんが携帯もっていたらいけないなんてことはないんだけど、なんか頭の中で勝手にお坊さんが俗世から離れた生活をしていると思い込んでいるからだろうね。なんか違うと思ってしまうのは。雨が降っていたけれど観光客は多かった。日本人も数人みかけたね。一応すべての場所を一通り回ったけれど、寒くて写真をあんまりとらなかった。ちょっと後悔。

寒山寺入り口、山吹色が目立つ。禅宗寺院。 天気が悪いのに人が人が多い。
人よりも大きな蝋燭。一体何日もつのだろう。

■蘇州駅へ

 寒山寺が終わったら、もうそろそろ上海に戻らなければならない時間だった。タクシーでホテルまで戻り荷物をもって駅へ向かった。蘇州の駅はなぜか切符を買うところが離れていた。どこにあるのか人にきくまで気づかなかったよ。並んで順番が来るのを待っていたんだけど、そこにも日本人と西洋人の旅行者がいた。蘇州にはそんなに沢山の日本人がいるとはおもっていなかったから本当ビックりだよ。個人で移動しているということは日本人にしても西洋人にしても留学生かあるいは留学経験有りで中国語ができるのだろう。
 上海行きの列車は私たちの大分前から席がもうなかった。蘇州が始発じゃなかったら席有りを買うのは難しいとは思っていたけれどその列車は蘇州始発の列車だった。疲れているから席有りが欲しかったけれど仕方ない。乗っている時間はそれほど長くないはずだから大丈夫よね?一応お姉さんに特快よね?ってきいたら、「違う、普快だ」といわれた。ひっ!もしかして途中で何駅もとまる?しかも今春節だから人が一杯で、以前の北京から天津に帰る列車のときみたいにトイレの前でまったく身動き取れないほどの込み具合だったり?とちょっと憂鬱になった。それで何時間かかるのかわからないんじゃ悲惨だよ。でもまあ仕方ない。あした夜だけど天津に帰るのに今日中に上海へ戻っていたかった。蘇州は全部観光できなかったけれど、東洋のベニスといわれるほどの美しい場所でもなかったし、嫌な思い出の方がいい思い出よりも強烈だし、もう蘇州にいたいとは思わなかった。早く上海のネオンの中に帰りたいよ。

寒山寺をでたところ、ベニスにはちょっと遠いかな。 寒山寺が見える。

■席なし列車で上海へ?

 列車は席なしの人が沢山いるとは思えなかった。席ナシでも一応何号車とか書いてあるのでそのとおりに乗った。またまた私が6号車で、一緒に買った友達が5号車で同じ車両じゃないのは驚いたけれどその辺は席があれば変えてもらえるから問題なかった。列車は2階建てだったんだけど、1階席はがらがらだった。どこが満席なんだろうか。これだったら座れそうだ。とりあえず人がはいってくるまで席に座ってくつろいでいよう。もしかして途中から誰かくるかもしれないけれど、こない可能性もある。
 結局満席であることを最後まで理解できなかった。特快でなく普快であるのも理解できなかった。だって途中とまった駅は昆山だけだったよ。人もそれから乗ってこなかったし、おそらく席なし切符を買った人が座っていたのだろうけれど、それでもまだ席は残っていたし、まあ私たちは席なし切符の値段で席に座れたからラッキーだったんだけどね。もしかして蘇州ー上海の列車はいつもこうなのかもしれないね。

■再度東亜飯店へ

上海へ戻っていくところといったら一つだった。南京東路の東亜飯店へ向かった。上海駅から地下鉄に乗って人民広場で降りて歩いてすぐだ。南京路がこんなに便利だなんて本当に上海万歳だ。上海を歩いていると日本の都会にいるような錯覚すら覚える。人は中国人なんだけど、でも天津の人とは違っているし、町も便利で中国にいるとは思えない。車もきれいで道路のアスファルトとか、2階建ての商店街とかもこれほど日本に似ているとは思わなかった。最初上海は日本と同じ暮らしができるよと人にいわれたけれど、私はそれを信じていなかった。そんなわけないじゃん、いくら上海が都会でも日本と同じと言うことは無理だよーと思っていた。だけど実際にきてみて街を歩いてみて、こんなにも日本に近いとは思わなかったよ。あるけばすぐにコンビニがでてくるし、地下鉄も便利だし、街は夜までにぎやかだし、日本の都会と変わらないよ。
 東亜飯店についた。つい先日までとまっていたから同じ値段にしてといったら、OKはしてくれたんだけど予約しているのか?ってきかれたから、予約しておいた方がよかったと思った。というのが部屋が前の部屋とは違って南京路沿いの部屋になったんだけど、そこは古くて前の部屋より大分落ちるということだったんだよ。設備的にはかわりは無いんだけど、古いから壁がはがれていたり、シャワーが固定式で洗面所が綺麗じゃないとかね。ああ、これだったら三ツ星になれないのがわかるわと思った。もともとはこのタイプの部屋が主流だったんだろう。それで一部改装して綺麗な部屋を作ったのだと思う。綺麗な部屋の方なら三ツ星で問題ないんだけどね、この部屋なら2つ星しか無理だろう。今日はこのタイプの部屋しか空いていないというから仕方ない。今日一泊だけだしこれから他のホテルにいくのも面倒だからここで我慢しよう。

■黄河路へ食事へ

上海での滞在も残り少なくなってきて、ちょっとリッチな食事をしようかなと思ったけれど、やっぱりフロントの人にオススメの場所をきくことにした。お兄さんは2つすすめてくれて、一つは延安道にあるレストランとあとは南京路の新世界というデパートの裏の黄河路というおいしいレストラン街だった。黄河路の方が近いというのでそこにいくことにしたのだけど、黄河路はどこもおいしいので適当に好きなところにはいったらいいといってくれた。黄河路に一番多いのは海鮮料理だったけれど私が海鮮がすきじゃないのでそれは全部パスして、「歩歩昇高」というレストランに入った。歩歩昇高というのは一歩一歩昇っていくっていういい意味の熟語なんだけど、台湾人が好んで使う言葉だから台湾料理?とか思ったけれどそこも海鮮のお店だったみたいだ。ウェイトレスのお姉さんにオススメきいたら色々紹介してくれた。しつこく薦めることも無くてよかった。豆腐と刀豆と豚肉料理一つと主食を頼んだ。お皿が小さめなのでこれだけ頼んでも女性二人で全部平らげることができた。豆腐は豆腐と小さく刻んだなまことかグリンピースとかが入って塩味の薄味で味付けしてあった。刀豆は私は日本の九州のあたりにもある一房が10cm以上ある大きな豆のことだと思って注文したら、北方で言う豆角だった。でもおいしかったので許すか。あと豚肉はスペアリブに近い部分を軽く油であげて味付けていた。アルミホイルに包んででてきて、そのホイルの上に塩がかけてあった。それってどういう意味があるのかわからないけれど、おいしかったよ。そして主食は泡菜飯というのだけど、ご飯にチンゲン菜がはいって、雑炊みたいになっているものだった。油がはいっているので日本の雑炊みたいにさっぱりはしていないけれど、体が温まっておいしかった。この料理はいい!と思ったよ。ちょっと薄味だったので、肉のホイルの上のお塩をいれて食べたよ。
 食事にきていた人たちは大体家族連れだった。気づいたけれどレストランで服務員に話し掛けるときは皆普通語を使っている。それは服務員が上海以外から来た人が多くて上海語を理解しないからだからだろうか、それとも見知らぬ人に話し掛けるときは普通語で話し掛けるのが常なのだろうか。もちろん家族できていて、家族全員が上海語を理解するなら上海語で話すのが普通だ。だけど両親の一人が上海以外の人だったりすると家族の共通語は普通語になる。上海では意外と普通語を話す人が多くてびっくりしたのだ。私は上海も他の南方の都市と同じでそこではその土地の言葉しか話さないのかと思っていたから。さすが普通語試験で一番高得点をとれる上海人なだけあって、普通語もうまい。大都会だから外から沢山の人が入ってきてて普通語を日常的に話す機会も多いのだろうね。

■ホテルへ戻る

ホテルへ戻った頃からなぜかお腹が痛くなってきた。うーん。変なもの食べていないはずだけどなんだろう。昼の野生の鴨か、それとも朝食べた梨でお腹が冷えたか?さっき食べたばかりのものではなさそうだ。今日は早く寝よう。明日は最終日だから。

5日目 上海最終日、夜天津へ

 TOPへ  旅行記TOPへ




100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!