ひさしぶりの上海+杭州旅行 4日目

■チェックアウト

 早々にチェックアウトして荷物をホテルにあずけた。今日は西湖と龍井村へいき、そして夕食までに上海へ戻るという忙しいスケジュール。朝食は例によって胃もたれ気味なのでゆっくりめにしておそらくブランチになる予定。

 杭州はレンタサイクルのシステムが充実しているらしい。ホテルでも借りることができるのだがもうチェックアウトした私たちが借りるには500元のデポジットが必要という面倒なことを言われたのでちょっと口答えしてみる。すると公共のレンタサイクルが便利だからと詳細をおしえてくれた。なんでも最初にカードを作らなければならないけれど作るのは無料でできるし、市内あちこちにあるレンタサイクルの返却および貸出場所で返却したり借りたり自由にできるそう。しかも料金は1時間未満は無料、一時間を超えると一時間につき1元という格安なシステムだ。みたかんじ返却および貸出スポットはたくさんあるようだし、ホテルで借りたら必ずホテルに返しにもどらなければならないので公共のサイクルを借りる方がよさそうだ!ということで延安路にあるカードを作る場所へいってみることにする。

■レンタサイクル

 カードの作成はパスポートと300元があればすぐにできる。300元というのは200元がデポジットで100元が使用料金の前払いとなるらしい。レンタル時間が1時間をこえて料金が発生した場合にはその100元からひかれていくし、カード返却の時にはデポジット200元と100元から発生したレンタル料を引いた金額がもどってくるという仕組み。カード返却は他の場所でもできるがこの延安路では24時間営業しているのでここに返却しにくると確実だといわれた。

 カード作成していざサイクル開始。赤いベストを着た男性が職員で彼らが使い方を教えてくれる。カードを置くとピーっとなるのでそれでロック解除され、自転車をとりだすことができる。また返却のときも自転車をセットしてそれからカードを置く。ぴーっと音がするのでそれで返却完了、というシステム。みたかんじ観光客のみならず地元の人も多く利用している様子。だって1時間以内無料なんだからうまくいけばただで自転車が乗れるのだ。そして返却場所も多くあるから乗り捨てる場所もたくさんあるということ。ちょっと歩くのには長い距離でも自転車なら楽ちんだろう。

↑色調が変でごめんなさい。公共自転車貸出カード販売返却窓口
↑大量の自転車が並んでいる。赤くてよく目立つ
↑ここに返却したり、ここから借りていったりする場所

 レンタサイクルの注意事項(杭州市公共自転車交通服務発展有限公司作成のカード)
・自転車を借りるとき、自転車に不備がないか確認してください
・自転車を返却するとき、自動サービス機にて返却手続が成功しているかどうか必ず確認してください。「このカードは自転車をレンタルしていない、あるいはすでに返却しています」の表示がされれば返却手続は成功しています
・カード所持人はつねに利用状況をみてICカードにチャージをして、カード内の金額不足によって自転車のレンタルや返却ができない状況にならないようにすること
・自転車貸出、返却のサービス時間に注意し、返却時間を超過したならば24時間営業地点にて返却すること
・ホットライン:85331122

■西湖

 さて我々も自転車にのって西湖の方へ出発。まずは昨日訪れたあたりから西湖のまわりを反時計回りに「白堤」あたりをめざす。しかし西湖のほとりは自転車で乗り入れ禁止、その場所には自転車がはいってこないように見張っている人もいるので車道をはさんで自転車道をはしらなければならない。しかも中国は自転車も右側通行なので反時計回りだと西湖からより遠くなってしまう。とはいっても仕方がないので「白堤」あたりまでは我慢してそれから自転車を降りてゆっくり散策することにした。

 幸い自転車乗り捨て場所はたくさんあるので困らなかった。西湖の周りではおどろくことに社交ダンスをしている人がたくさんいた。太極拳、扇子をつかった踊り、その他みたことのないようなダンス、というのは今までにみてきた光景だけれど社交ダンスを踊っている人たちがいるとは時代の変化を感じた。しかも一グループだけではなくてはなれた場所に複数グループあるのだ。初老の人たちやおじさんおばさん、若い人も数人いた。おじちゃんが結構上手だったのにも驚き!おもしろいのが情熱的なルンバを中華な音楽でおどっていること。その方が入りやすいのかね!?

↑楽しそうに踊る男女
↑ルンバを練習していた。中国ではルンバが人気なのかしら?
↑横には若い人たちの姿もある
↑格好が違うようだけれどこの人も社交ダンスしていた。
 そのあとスピーカーで音楽を流しながら自転車にのって移動していた

■「白堤」から「蘇堤」近くまで

 「白堤」は自転車の走行が許されているようだった。私たちは一部自転車、一部歩きでみてまわった。この辺りも自転車乗り捨て場および貸出場があるので本当に便利だ。

 自転車を借りようとおもってカードをかざすと借りれなかった。前回返すときにうまく返却手続きができていなかったのか借りれないようになってしまった。なんどもカードをかざして試していると同じく自転車を借りていこうとしている中国人夫婦が話しかけてくれた。窓口の人に相談してみたらよいといわれたのですぐそばの窓口にいたおにいちゃんに言ってみる。すると機械で今どういう状態なのかすぐに調べられ(その機械は窓口の外にあるのでわざわざお兄ちゃんを呼ぶ必要もなかった)そして異常状態になっている場合は電話して直してもらうことができるそうだ。携帯は友達から借りていたのでそれを使ってかけてみる。お兄ちゃんに手伝ってもらえるかきいたらOKだったのでお兄ちゃんに電話で話をしてもらった。すぐに異常状態は解除された。がしかし頻繁にこれになるならちょっと面倒だなと思った。すぐに窓口があり、しかも中国の携帯をもっていて、親切なおにいちゃんがいたから楽に解決したけれど。お兄ちゃんに感謝、そして見知らぬ人なのに話しかけてくれた夫婦もやさしくてうれしかった。上海でも思ったけれど最近の中国の人は親切な人が多くなったうように思う。やはり経済的余裕→精神的余裕がでてきたということだろうか。

 秋なので黄色なった葉っぱが美しいのだが柳は緑色のままだ。まっすぐにつづく「白堤」の両脇に大きな柳の木が並んでおり、どれも緑の枝が垂れ下っている。とても中国らしい美しさが感じられる場所だ。昨日寄った書店で西湖の春夏秋冬の写真集をみたけれどどの季節もそれぞれの美しさがあった。春は色とりどりの花と若葉、夏は新緑と太陽の光、秋は黄色に染まった紅葉や落ち葉、冬は真白な雪が積もった姿。どれもが印象的でどの季節が一番よいときかれても即答できないくらいだった。実際に訪れるのなら雪の西湖は寒そうだから避けたいなぐらいしか言えない(笑)実際11月半ばの今はまだそこまで寒くはないがこれ以降は旅行に最適シーズンではなくなるだろう。南方ならまだ暖かい方だが11月後半からは暖かい南の国に旅行したいものだ。

 西湖は「上有天堂、下有蘇杭」といわれるのも意味がわかるような素敵な場所だった。蘇杭の蘇は蘇州、杭は杭州の意味なのだけれど蘇州は正直嫌な思い出が強烈過ぎて東洋のベニスだと感じる暇もなくとても天国に匹敵するような素晴らしい場所だと思えなかった。かわってここ杭州はおだやかで四季折々の美しさを魅せる西湖があり、街もきれいで人はやさしく(この二点は最近の変化かもしれないが)、住みたい場所に思えた。そういえば私が北京留学中に初めてツアーで桂林に旅行したが、その時一緒になった中国人夫婦も杭州出身だった。彼らは裕福らしく日本人だという私たちにも偏見なくお話をしてくれていい人だったわ。男性が若く女性が年上のパターンだった。彼らの印象がよかったので中国人ツアーにまじって旅行するのも悪くないなと思ったのだったな

↑柳の枝が湖ととても合う
↑中国らしい風景かな
↑遠くにみえる小船
↑秋は蓮が枯れて秋色になる。
 秋も風情があるが夏はさぞかし美しいことだろう
↑樹木の紅葉とダブルで秋色。遠くの塔もいれてさらに美しい
↑のんびりとああいう船にのって西湖の遊覧もしてみたい
↑左側には杭州のビルがみえるが西湖の存在が大きいので小さくみえる
↑鏡のように映る湖面
↑11月とは思えないくらい緑豊かなのはこの地方だからかな
↑自転車も通ることができる
↑杭州の「西冷印社」篆刻の研究施設でこの団体はなんと清の光諸30年に
創設されたらしい。光諸帝が思い出される…
↑船は手こぎがいいねぇ
↑船の船頭さんかなぁ。西湖のゆったりした空気に似合う風景がとれた
↑孤山へ渡る橋(白堤ではない方)からみる湖
↑孤山へ渡る橋(白堤ではない方)から蘇堤方面をみる

■大変なことに気づく 

 西湖にて写真をいい気分でとっていると大変なことに気がついた。一眼レフのデジカメの電池がない!やばい一昨日は充電したけれど昨日は充電し忘れていたのだ。やばし、予備のバッテリーがホテルにあるかも、とりにかえらなければ!そうしないとこれから龍井村に行くというのに写真が撮れないではないか!ということで写真を撮らない連れにバッテリーがなくて取りに帰りたい!!ではなくて取りに帰る!!と断言して取りに帰ることにした。

 自転車を走らせホテルにもどる。もう少し時間に余裕があれば「蘇堤」も歩いてみたかったが難しそうだった。しかも蘇堤は自転車の走行はできないようだ。あとから気がついたけれどバスに乗れば簡単に西湖の反対側にいくことができて短い時間で観光できたはずだ。すべては後から気がついたから実行できなかったが。ということでホテルにもどり予備充電パックは上海の友人宅に残した荷物の中にあることに気が付き、せめてブランチをとっている間だけでも充電してもらおうとホテルの人に頼んだ。朝はレンタサイクルのデポジットのことで私は彼らに嫌な言い方をしたにもかかわらずとても親切なホテルの人たち。やはり四星ホテルで働く人なのだろう。すんません、と反省。四星ホテルでなければ充電を断られるかもしれないし、もしかして充電して充電機ごとどこかになくなってしまう、あるいはとりにきたときに引き継ぎができていなくて返してもらうのに手間取るとかも十分考えられる。ここはそういう意味で本当に四星ホテルのサービスに感謝です!

 レンタサイクルの件でで揉めて充電も頼んでさらにその上にこの近くで飲茶が食べられる場所はないかきいてみた(笑)すぐとなりの「避風塘」というお店か、あるいは杭州友好飯店の中に入っているお店も飲茶を提供しているとのこと。どちらも極めて近いので自転車を近くの返却所に返して歩いていくことにした。

■路地で小吃

 飲茶店の方へ歩いていると湯気のでている露店発見!みてみると私のかねてから食べたいと思っていた粽もある。そしてその横にはなにやらきらきら輝く巨大餃子のようなものがある。蓮根の粉でつくっているという話だがとってもおいしそうなので粽とともにかってみる。

↑こんなのみたら食べたくなるでしょ?
 粽、例の蓮根粉でできたもの、卵にとうもろこし
↑私がほしいのはこの粽!
↑例の蓮根の粉でできたもの。
 外の皮がもっちもちで中は粽の具ににたようなおかずがはいっている。
↑こういうものも売っていたが今回は買わなかった

 例の蓮根の粉でできたものはとっても弾力がありおいしかった。粽も期待した通りの味でブランチ前じゃなければそれぞれもう一つづくくらい買って食べたいくらいだった。杭州ってこんなおいしな露店があるのか!とうれしくなった。

■飲茶

 「避風塘」とはとても素敵な名前なのだけれど天津ではドリンク飲み放題のカフェのイメージが強すぎた。なのでホテルの中に入っているというお店にいくことにした。

 入ったときお客さんは少なかったのだけれど点心メニューもそろっているようだったので点心を中心に注文した。お茶は無料でいれてくれるので飲み物は頼まず。点心を4種類頼んで終わり。二人なのでまあ適量と言えば適量だが中国の習慣からみると少ないだろうと思う。それだからといってひどいサービスをうけるようなお店ではない。だいたいウェイトレスさんは自分の給仕の仕事に集中している(悪く言えば自分の仕事以外に関心をもたない)ので、どのお客さんがたくさん注文しているからどうだとか、注文が少なくてけちなお客さんね!と思ったりしないのであろう。お茶をいれてくれるお兄ちゃんはとても感じのよい人だったし、そういう意味では四星ホテルの中のレストランなのに気取らなくてもよい場所のようだ。 

 点心の味は全部予想通り。形も整いすぎている感があるのでもしかして冷凍食品なのかもと思えた。まさか広東料理のお店だからそんなことはないと思うが上海在住のお友達は冷凍食品の点心を出す店も多いといっていたので気になった。

 大根餅はレストランによって形が違うことはよくあるが、このお店でみたタイプの大根餅ははじめてだった。けれど味は期待した通りの大根餅でありおいしかった。一皿が少ないのが悲しかったかな。まあ大きなお皿でくる料理もあるのでそういうのを頼んだらすぐ満腹になるのだろう。頼まなかったけれど飲茶以外の料理もたくさんある。

↑水晶包。おいしかったのだけどグリンピースが冷凍ぽくてそれゆえ
全部冷凍なのかもと思えた
↑鶏の爪先を煮込んだもの 私は苦手です・・・
↑チャーシュー饅頭 これは私の好物
↑これが大根餅だそう。
 おいしかったけれどいままで見た形とはずいぶん違ったスタイル

■龍井村へ

 ホテルに充電機をとりに戻り、そしてK27というバスにのるためにバス乗り場へ行く。このバス乗り場はマルコポーロホテルのすぐそばだ。だけれどもそこは終着駅なので今停まっているバスが終着駅にたどりついて待機しているバスなのか、それとも出発時刻になるのを待って待機しているバスなのか一見しただけではわからない。ひとつは交差点の向こう側、ひとつはこちら側にありどちらかが龍井へ向かって出発するはずなのだがどちらかわからないので近くにある交番?みたいなところに入って聞く。こういうとき中国語が使えると便利だなと思う。いくら中国の人が優しくなったとはいえ自分が中国語が少しも使えない状態だとするとこの旅も緊張の連続なのだろうなと思う

 バス乗り場の場所もわかり待っていたのだがバスはなかなか出発しない。10分か15分くらいか待っただろうか。あと5分こなければタクシーで行こうかと話していたときバスがきたので乗りこんだ。一人1元とお安い。ワンマンなので最初に料金を支払う。

 お腹もよくてバスはちょうどよい具合に揺れて眠たくなってきた。以前なら荷物がいつ何時とられるかわからないので常に緊張状態だったが、優しくなった中国の人の雰囲気に私も緊張を緩めて居眠りなんぞしてしまった。とはいっても荷物は常に自分の膝の上に置き、かばんはすべてファスナーをきちんとしめ上から自分の手で押さえている。短期間の旅行で貴重品を盗まれると貴重な時間までもを浪費してしまう。

 うとうとから目覚めるとまわりに茶畑があった。なかなか美しい茶畑だ。やはり南方は緑多くて豊かな土地だな。連れとも話したけれど北京は政治の中心地であり歴史ある場所であること以外には、乾燥していて土やほこりがひどく、冬は氷点下になるほど寒さ厳しく緑少ない土地でかわいそうだ。北京の紫禁城をはじめとする歴史的建造物、アール化発音のはげしい北京弁、洗濯物のすぐに乾く便利さなんかは私も大好きだけれども、やはり土地というのは水や緑の豊かな土地の方が乾燥した土地よりもよいと言わざるを得ないのではと思う。といっても北京と上海どちらがよいと簡単に比較したいわけではない。

↑K27のバスの中 車内にもテレビが設置されている
↑バスの車窓より 茶畑

■龍井村で茶農家に会う

 龍井村関連のバス停は確か二つあって一つが龍井茶室でその次が終点の龍井なんとかだったと記憶している。茶室はきっと茶室ばかりが集まっているのだろう、と思って終着の龍井なんとかまでバスに乗った。

 龍井なんとかバス停でおりたがこの次にどちらに行くのかわからなかった。道は一本道なのだけれど龍井村は山の上の方にあり私たちはさらに登る方向にすすめばよいのかそれとも下る方向にすすめばよいのかわからなかった。

 そこでたまたま歩いていた地元民っぽいおばちゃんい「こっちに行ったら何があるのか」ときいてみた。すると井戸があるとの答え。あと龍井の村があって、、などなどといわれたのでとりあえず登る方向でよいようだった。おばちゃんに言わせると「龍井茶室」のあたりにはたくさん茶室はあるがそれは龍井の村のものではなくて外から来た人たちがやっているものだということ。本当の龍井村というのはこの上にあるのだと言っていた。歩きながら会話をしていると私が「茶畑もみることができるのか?」ときいたところで「私の家に茶畑があるからみていったらいいよ」と言われていいのかなぁと思いながらついていくことにした。茶畑みるだけならまあ断る必要もないかなぁと思った。おばちゃんは人が悪そうにはみえなかったし。

 割ときれいな家の並ぶ家と家との間の細い道を歩いていきおばちゃんの家にたどりついた。確かに茶畑がありそれをみることができた。そしておばちゃんが家に入ればよいよ、というので本当にどうしようかぁと悩んだが入ることにした。日本人は家に入るというと玄関から靴を脱いでおじゃまします、と入るがそういうわけではなくて外からいつでも人がはいれるようになった、つまり中庭に開け放たれた一つの部屋に入るという外との境界線のない非常に入りやすい場所だった。そこでおばちゃんは椅子に座るようにすすめてお茶をだしてくれた。

 私たちはお茶までだしてもらってもてなしてもらって悪い、と思ったけれど話をきいているとこの家で作っている二種類の龍井茶の茶っぱもだしてくれて、両方を飲み比べてみておいしかったら買っていったらよいよ、という話だった。まあそこまで唐突に話はすすまなかったし、おばちゃんももしおいしければと遠慮がちだったのでそんなにだまされた感はなかった。だってそれまでにおばちゃんの身の上話だとか、龍井村の人々の生活の変化だとか、いろんな話をしたのだ。急に目の色変えて営業されたわけでもないし、久々にする中国語での中国人との会話はとても楽しかった。それにお茶一杯いただいたからって申し訳なく感じてほしくないものを買う必要はないのだ。お茶の葉は確かに高級なものかもしれないが、グラスにお茶っ葉を一度いれるとあとはお湯を何杯でもたしていただくことができる。もちろんおいしく頂ける回数というのはあるだろうけれど少なくともそのときおばちゃんは一度お茶っ葉をいれただけで私たちはおいしくいただいた。

↑先に茶畑がみえる、おばちゃんの家は一番奥の家のようだ
↑おばちゃん家の茶畑
↑こんなグラスにいれてくれた
↑二種類の獅峰龍井茶

 おばちゃんからは色々な話をきいた。彼女はこの村の出身で家が貧しくて学校に満足に通っていないそうだ。だから漢字があまり読めないそうだ。旦那さんは他の場所からこの地に嫁いできたそうで非常に内向的、人がきても話をしないそうだ。息子が一人いて今は杭州市内で働いているそうだ。

 龍井村の家は昔は非常に簡素なものだったが保護区に指定されて数年前に補助金もでて家を建てることができたそう。なるほどこの辺りの家はきれいすぎて村という名に不似合いだ。この村にはたくさんの大型犬が野良犬のように歩いているがどれもおとなしくて人をかんだりすることもないそう。

 彼女のようにこの地でお茶をつくる農民を「茶農(cha2nong2)」というそうだ。彼女はちゃんと名刺も持っている。この村で作っている「獅峰龍井茶」というのは最高級の龍井茶に属し、有名な西湖龍井茶よりも高級品とされる。

 セールストークとしてはおばちゃんのところのお客さんはみんなリピーターであり午前中も中国の遠方から上海に出張にきた人が贈答用に買いに来たという。獅峰龍井は最高級茶なので贈りものには最適らしい。特に政府の人になどね。

 結局私は2種類のお茶ともいただいて自分がほしいと思うものではないと思った。おいしいには違いないのだけれど苦さというか濃さがどちらも私好みではなくて、きっと龍井茶そのものよりも私は他の種類のお茶の方が好きなのかもしれない。詳しくないのでどんなお茶が好みなのかわからないのだけれど。
 連れの方は濃いほうを気に入ったようで何杯も飲んでいた。私はこの先のおトイレの心配もあるのでそこそこ飲んで終わりにした。連れは1両(50g)買ってかえるということにした。私は結局買わないことにした。一番の理由は実は蘇州にいったとき西湖龍井をお茶屋さんで買って帰ってまだ一度も飲んでいないからだ!西湖龍井よりここの獅峰龍井は高級なので希少価値は高いのだがやっぱり飲もうと思って買った物を一度も飲んでいない私がさらに同じような種類のものを買うのは愚かだと思ったんだよね。連れは仕事中に飲むことができるそうだが私は飲みきる自信もない。やはり最初の西湖龍井を飲んでからでしょう。

 おばちゃんは始終かんじがよかった。もちろん買ってほしい雰囲気はだしていたが買わないと態度を変えるような人ではなさそうだった。しかし途中でふらっとあらわれた近所の人っぽい人は商売根性まるだしだった。連れが買っているのが最小単位の1両なのを知って「もっと買うべきだ」とか私にも「買って帰るべきだ」といった。そういうのはやっぱり嫌に聞こえる。そんなにがつがつされるとこっちも身構えて必要なもの以外買いたくなくなる

 おばちゃんには名刺をもらってそろそろお暇することにした。上海あたりに私が住んでいたらお茶を今回少し買って飲んでみて、また今度やってきたときにおばちゃんを訪ねて少し買う、ってこともできたかもしれない。やはりお茶を日本まで持って帰って、家に紅茶やら日本茶やら一杯その他の飲み物がある中で飲むのも消費速度が遅そうだし、また近いうちに再度訪れることも約束できないからなぁ。もちろん自分的には頻繁に中国を訪れたいけれど日本での生活があるのでなかなか簡単にはいけないものね。しかし次にお茶の産地の近くを旅することがあればやっぱりこういったお茶の村を訪れてみたり、お茶をいただいてみたりしたいと強く思った。

■龍井村観光

 茶農家訪問も終わり、次は龍井村を観光してみることにした。龍井村でお茶を飲みたいなぁという目的は偶然におばちゃんに話しかけたことによって完了した。おばちゃんが村にある井戸までつれていってくれた。おばちゃんはちゃんとお客さんをバス停まで見送っていくことを常にしているようだったが、私達は村をぶらぶらしたいので井戸のところでおわかれした。別れ際はとてもあっさりしていた。やっぱり上客ではないからかしらん(笑)

↑犬がどれも大きくておとなしい
↑大きな水がめと手前には何か干している
↑ウサギ年の新年のときに飾り付けたのだろう
↑モップを干している ↑手前は古い雰囲気、奥は家が新しい
↑玄関先に手洗い場が ↑門があり邸宅に続いている
↑わんちゃんがうろうろ ↑お茶と食事ができると書かれている
↑ここにも犬 ↑家の改修中が多い
↑先を歩く茶農家のおばちゃん ↑かなり大きな犬。
 そして毛がぐちゃぐちゃになっていた

■井戸

 井戸はいきなり現れた。すごく普通の場所にあるので驚いた。井戸の形としては「珍妃の井戸」に似ているように思った。ただ「珍妃の井戸」の方は中をのぞいたり水を汲んだりすることができないが、こちらでは自由に水をくみ上げることができるみたいだ。観光客の私たちもOKのようだった。

 この辺りは村の中では人の多い場所で、おばちゃんも村民とお話をしはじめた。男性の姿もたくさんみられた。きっとあちこちで行っている工事に携わっている人なのだろう。男性たちが立って話をしていたり、座って話をしていたりしていた(笑) つまりはあくせくしない感じの仕事があるようだった。

 あとで知ったけれどこの井戸は普通の井戸のようで、言い伝えなどにでてくる井戸とは「龍井泉」というみたいだ。この泉という名称を知っていればおばちゃんに聞いて訪れることができたかもしれないのに、と思うと少し悔やまれるが、まあまたご縁があればまた訪れる機会がやってくるだろう。

 

↑こんな場所に井戸がある
↑それほど大きくはない
↑中をのぞいてみる
↑この道具で井戸の水をくみ上げる
↑そばで編み物をしていた女性たち
↑石のベンチで休む人たち 手前の青い板?には「安全生産」の字
↑村では犬ものんびり、というかぼんやりかな(笑)

 井戸をみたのちはそのあたりを散策してから下の駅にもどることにした。

↑旅館もあるようだ ↑各種モップ
↑ごちゃごちゃした感じの建物と建物の間 ↑目チカラ強そう(笑)
↑工事関係の人が暮らしているのかな? ↑竹でできた物干しに洗濯物を干してあった
↑ここでも竹物干し竿 ↑小菊のようだった
↑村は写真撮影にもぴったりの場所だ ↑こちらは大根のようだ
↑ここに誰かがすわってくつろぐのかな


 ここから下のバス停へ降りていく。連れがさっきのお茶を飲みすぎたのでトイレに行きたいとトイレの場所をききだしてトイレへ向かって急ぐ。それに合わせて私もこの茶室のあたりはその外観を撮っただけで終わった。まあ中まで入るとまたお茶を飲んで長くなりそうだったしね。ここは「トイレはどこですか?」ときいても「お茶いる?」ときかれるような場所なのだ。実際にトイレに急ぐ連れに村人はそう返答した(もちろんトイレの場所を教えてくれた後に)

↑道路を下って下の村へ行く
↑この辺りの家や茶館はすべて道路沿いにたっている。
 さきほどの村の風景とは少し違う
↑ここも茶館かな?
↑こういう石の階段も雰囲気があってよい。ここを登って二階にいくのだね ↑龍井村の字
↑住居という生活の場と、お茶の販売や茶館という商売の場が同居している
↑真剣にトランプをしている人たち
↑薄ピンクのテーブルクロスがかわいいオープンテラス
↑緑がツルのように ↑家の裏に小山という自然のある風景
↑軒先で新聞を読む。いいねぇ〜 ↑「茶」の看板があちこちにみられる

■龍井問茶

 トイレがあるらしき場所に到着した。「龍井問茶」とかかれている。連れがトイレに行きたいため急いでここまできたわけだが、この龍井問茶という建物、庭も大きいし何か立派なものらしい。入り口をみてみるとCCTVのコントロール下にある、という注意書きがあるのでメディア関係かあるいは政府関係の場所なのかと思ったが、時々中から人がでてくるので私たちも中にはいってみることにした。

 中は建物があって外でお茶を飲んで会話やトランプを楽しんでいる人もいる、まわりは庭園のようになっていて、東屋のようなものもあったりと規模はなかなか大きい。

 日本に帰国してから調べたところここは昔清の乾隆帝がここに来て休息し、龍井茶についていろいろと訪ねたことがあったため「龍井問茶」と名づけられており、現在は品茶ができる庭園となっているらしい。なるほど、と後になって合点した。

↑連れは激しくここにいきたかった
 龍井問茶の外庭にある
↑左の石に「龍井問茶」とある
↑少しだけ紅葉した木の葉が美しい ↑入り口のすぐ向かいはバス停
↑木で隠れているけれど「龍井問茶」 ↑まだ中に入っていないのにすでにこんな大きな庭がある
↑門をくぐると茶壺がおでむかえ!おもしろいね ↑茶壺のアップ
↑豫園でたくさんみたごつごつ岩 ↑「清虚静泰」の四文字が。
↑人が集まって楽しそうだった ↑お茶をいただきながらここでもトランプ。
 盗撮がばれてしまったけれど怒られなかった
↑ゆったりとした時の流れに自分もあわせてゆっくり
したかったけれど残念、時間にかぎりがあった

■杭州市内へ

 行きと同じ路線K27で杭州市内へ戻ろうとバスにのると行きと同じ運転手だったのですこし驚く。今度は居眠りしないで龍井の茶畑や西湖のまわりをバスの中から眺めながら杭州市内へもどった。

 ホテルに預けていた荷物をうけとって、最後に「Citi 西堤」にて飲み物を購入してタクシーで駅へ向かった。

バス代 1元
ミルクティー 8元くらい

タクシー 11元

■新幹線で上海へ戻る

 私たちは16:36分発の高速鉄道に乗った。この新幹線は上海虹橋火車駅が終着ではなくて、なんともっともっと北の北京までいくそうだ。北京到着時間が23時すぎなので7時間ほどで杭州から北京まで行ってしまうということだ!新幹線ができて本当にこの中国沿岸部の移動は楽になったなと思う。以前は北京ー上海でも12時間ほどかかっていたからね。7時間で到着ということになると、飛行機よりも新幹線を好む人達もでてくるだろうか。いやしかし、値段的にはどちらがお安いのか、それにもよるかもしれないな。

 上海が終着駅ではないということで車内放送では北京到着時刻の案内しかなかった。なので車内販売にやってきた人に上海にはいつ着くかきいてみるときちんと何時何分と暗記していたのでおどろいた。この新幹線に乗る乗組員の教育は徹底されているなと思った。ある西洋人も自分の行き先の到着時刻がしりたくて車内販売の人にきいていたけれど英語できちんと受け答えしていた。本当中国での列車の長距離移動って恐怖的なものだったんだよね以前は。周りの人はうるさくて汚くてものは盗まれそうだたし、乗組員もやさしくないし私たち外国人にはハードなものだった。仕事をしはじめてからは喜んで乗りたい乗り物ではなくなってた。それが新幹線ができて便利だしそしてなによりも快適なのがすばらしい!車内はきれいで静か、車内の治安もよさそうだし、乗組員の対応はよい。これなら中国国内の旅も楽しくなりそうだ!

 途中どこかよくわからない駅で一度停車してそして上海虹橋火車駅へ到着した。

杭州→上海虹橋(G40次) 76元(二等席)

↑布丁(女乃)茶 プリン入りのミルクティー。 タピオカの代わりにごろごろと
 プリンが入っている。プリン味なのじゃなくてプリン入りなんだね

■上海市内の待ち合わせ場所へ

 虹橋火車駅から地下鉄で移動。これが1時間ほどかかる。友人との夕食の待ち合わせ時間まで少し時間があるのでショッピング。といっても足も痛く荷物も多いので元気がでない。これ以上荷物も増やしたくないしな。

■四川料理

 夕食は上海在住の友人のお勧めする四川料理のお店にした。四川料理というと唐辛子と花椒(サンショウ)を沢山使った辛い料理がその特徴。私は辛いものは結構好きなので天津でも北京でも四川料理は好きな料理だった。

 今日が上海での最後の晩餐ということで私たちに好きな料理を注文させてくれた。私は在中時代から食べていて好きな料理を注文。それと「水煮魚(shui3zhu3yu2)」の代わりにお友達おすすめの「酸辣魚(suan1la4yu2)」という酸っぱくて辛いスープで煮た魚を注文した。これは私は初めてだったけれど「水煮魚」の辛さが苦手な人、あるいは飽きてきたときにはちょうどよいかもしれないと思った。スープだけいただいてもとてもおいしいんだよね!

 私の頼んだのは庶民的な料理。肉より野菜好きな私はジャガイモやら茄子やら。唯一肉っぽいものは「宮爆鶏丁」という鶏肉とピーナッツを唐辛子とともに炒めた料理。これは北京留学時代から好きなんだよね〜。そして魚香肉SIも〜。

 このお店内装もこじゃれていて、天津ではこんなおしゃれな四川料理やさんみたことないわと思うようなところだったのだけれど、場所が上海であるがゆえに、四川料理がマイルドな四川料理だった。上海の料理というのは砂糖と醤油を使う料理が多くて全体的に甘い味付けが多いのだ。だから本場四川のぴりぴり辛い料理というのはあまりうけないのだと思われる。上海の人にも好まれるように辛さおさえめでマイルドな四川料理だったのだ。

 本場の味はもう忘れてしまったけれど、北方で食べてきた四川料理はもっともっと辛かったのでパンチのないこのマイルド四川料理は、四川料理ではないような物足りなさはあったけれど、これは日本のきれいな中華料理屋さんで中華料理をいただくような感覚に近いかもしれない。それに比べると財布がいたむほど高くはないし、日本よりはより四川に近いほうかなぁと思う(材料とかが中国のものだしね)。まあそんな上海ならではの四川料理を頂けたというのも上海の楽しみ方の一つなのではと思う。なにより皆が私たちのために集まってくれて一緒に食卓を囲めたということがありがたいことだしね!杭州には2人でいったのでたくさんの料理を頼むこともできなかったので、今回好きなものを自由に注文できたのもうれしかった。やっぱり中華は大勢でいただくとよりおいしいね!

↑ピーナッツの前菜。お酢が中に入っている。上にのっているのは香菜 ↑私が注文したビックなサイズのジュース。
 柑橘系でさっぱり!
↑唯一辛さがしっかりしていた「きくらげの前菜」
↑土豆SI(ジャガイモの細切り炒め)
↑落花生、とうもろこし、じゃがいも、さつまいもを蒸かした料理
 友人曰くこういう蒸かした野菜料理が最近増えてきているとか
↑宮爆鶏丁 これは日本でも自分で作るほど大好きな料理!
↑ジャガイモ(と何か加えて練ってある)をあげてスパイシーに味付けしたもの
↑魚香肉SI
↑スープがすっぱ辛くておいしい「酸辣魚」
 この料理はボリュームがあるので大勢でいただくのにちょうどよい

■スーパーで買い物 

 その後、食品等の自分用のお土産をスーパーで買う。買ったのは「酸辣湯」を作るスープの素やお茶(菊花茶、八宝茶)、豆のお菓子、干し梅、サンザシのお菓子等々。袋代が0.3元で全部で65.4元のお買いもの。これだけかって1000円以内なのはうれしい。ほぼ全部自宅用。詳細はブログで紹介したい。

スーパーでお土産 65.4元

■就寝

 今日もなんだかんだで遅くなったが就寝。明日は早く起きてお買い物にでかける。飛行機は3時すぎなのでお昼まではフリーで遊べるのだ!

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