はじめての台湾一人旅

1日目 (移動)夜 台北着
2日目 台北市内観光、台北市内泊
3日目 基隆へ移動、野柳を観光、基隆へ戻り基隆泊
4日目 九分へ移動、瑞芳を経由し十分大瀑布を観光、瑞芳経由で九分に戻り九分泊

5日目 九分を観光、台北経由で、飛行場に近い南kanへ移動、南kan泊
6日目 (移動)南kanより飛行場へ、台湾さようなら

10月1日(日) 4日目

■轟音のエアコン

 台北で泊まったゲストハウスでは一日目犬がほえててうるさかったのだけどそのうち静になったものだ。2日目はほえていなかったし割とぐっすり眠れる環境であったと思う。がこの基隆のホテルはエアコンの音が轟音でやかましい。私は神経質な方で騒音が聞こえるとあまり眠れない人。旅で疲れているので寝るには寝るけれどずっと轟音を頭の中のどこかで察知しているようで深く眠れなかった。フロントのおばちゃんにクレームっぽくなく話のついでに言ってみたら、彼女は気にしたことがないらしい。「台湾人はうるさいのに慣れているから」といった。台湾人はおしゃべりが好きだから寝る時だって話をききながらだって眠れるし、2人以上でいて話をしないと「けんかしているの?」ってことになる。今までにエアコンがうるさいという声がでたことがなかったらしい。そのとき私のちょうど真下の部屋の台湾人のお客さんが出て行ったのだけど「あのお客さんもエアコンについて言っていないよ」ということだった。そうだなぁ習慣の違いというのもあるかもしれない。確かにどこでも台湾人の人はおしゃべりを楽しんでいるようだ。話すスピードもすごく早いし、あの日本では寡黙なイメージのある金城武だって台湾なまりの北京語を話すときはすっごく早口なんだもんなぁ。まあ私は日本人で特に神経質な人なのでそう思っただけかもしれない。たぶん日本人でも「おやすみ3秒」の人にはきっと気にならないと思う。

■朝食

 2日間ほど朝食が思うように食べられなかったので美味しいご飯が食べられる場所をフロントのおばちゃんにきいてみるとおばちゃん達がいつも食べる隣のお店を紹介してくれた。牛肉麺は普通は100元だけどおばちゃんの紹介で80元で食べることができた。ラッキー。このお店の女主人は中国大陸出身の人だそうだ。牛肉麺の味も美味しかった。中国の牛肉麺というと具は牛肉しか入っていないイメージだけどここは大きな牛肉がと野菜(たぶん小白菜)がふんだんに入っていた。

↑ホテルの隣、看板がでている牛肉麺館 ↑店内は清潔で綺麗
↑大きなお碗ででてきた牛肉麺 ↑台湾の牛肉麺は牛肉が大きいようだ

大独秀精緻牛肉麺館
基隆市信三路22号
TEL:24212855

 ホテルのおばちゃんと雑談する、今日は九イ分に行くというとこの近辺の旅行ガイド冊子「2006年鶏籠心北海情 旅遊指南」をくれた。基隆は昔は鶏籠という名前だったらしい。中国語では基隆と鶏籠とは同じ発音だ。確かにこんなに大きな都市になった今、鶏籠という名では親しみやすいけど少し田舎っぽすぎるのかな。
 今日の目的地へ移動する前に基隆でパイナップルケーキを買いたかった。基隆に本店がある100年の歴史のある老舗「李鵠餅家」は支店もなくここでしか買うことができない。昨日通りかかったときは長蛇の列だった。しかも私が買いたいパイナップルケーキは売り切れだったので今日買いに行くことにしたのだった。
荷物を置いて李鵠餅家へ向かった。まだお昼にもなっていないのにパイナップルケーキは売り切れだった。苺ジャムのケーキにしようとするとそれも売り切れ。何があるのかというと緑豆のまんじゅうと蛋黄のまんじゅうだけだと。仕方ない緑豆のまんじゅうを10個入りを二箱買った。440元なり、作りたてでまだ温かい、そして重たい。老舗での買物とはこういうものなのか、朝9時に行かないとパイナップルケーキは買えないのか・・・。(この緑豆まんじゅうの写真は旅行記6日目を参照)

↑おばちゃんがくれた旅行冊子、基隆、九イ分、
平渓、雙渓、貢寮、金山、萬里、東北角の情報
が載っている。十分大瀑布まで行く平渓線の列
車スケジュールもこれで確認できた。
↑パイナップルケーキを買いたかった李鵠餅家、
右のピンクの袋が並んでいるところがお店。
↑昨晩行った廟口夜市 昼間も営業している ↑商店街の風景
↑黒い大きな犬のお尻がみえるかな?
犬をスクーターに載せて首輪をスクーターに
つないでいるところ
↑ほうら大きな犬も足元でお利巧さんに乗っている
↑ドアが一瞬開いた時パチンコ屋さんの音がした!
中国にはパチンコはないみたいだけど台湾にはあるんだね。
全家とはファミリーマート

■九イ分へ出発

 さて今日の宿泊地九イ分へ出発だ。ホテルをでて5分もしないところにバス停「市政府」がある、このバスは基隆駅が始発で2番目の駅になる。もし席に座りたければ基隆駅まで行ったほうが確実だ。私が乗ったバスももうすでに人が一杯だった。運転手さんに「九イ分に行きたいので九イ分に着いたら教えてください」と言っておいた。「九イ分のどこにいきたいんだ?」ときかれた、九イ分もいくつか停まる場所があるようだ。「よくわからない」といったら「九イ分老街だろう、そこは一番賑やかなところだから」と言った。昨日の教訓でバスでは降りる場所がわからなかったら運転手さんにいっておいてできるだけ前の方の席で待っていたほうがよいと学んだ。ひとまずこれで一安心。混んでいたバスだけど途中から座ることができた。途中で鉄道の通っている「瑞芳」を通る。後で瑞芳に戻ってくるのだけど、まずは九イ分までいって今日の宿を確保しなければならない。それにこの大きな荷物からも早く解放されたい。

↑目印となる基隆市政府 ↑バス停「市政府
↑さようなら基隆(KEELUNG) 
駅の裏山に書かれた文字がHOLLYWOODみたいで
かっこいいね?!

■観光地九イ分 

 九イ分到着、運転手さんはちゃんと覚えていてくれて降りるように教えてくれた。降りてまずは地図で現在地を確認。そこからめぼしをつけている宿へ向かう予定にしている。しかしこの九イ分の地図がとてもわかりづらい。まっすぐの道はなく、くねくねした道がいくつか平行して走っている、そのくねくねした道と道をつなぐものは階段道、自分はどこにいるのかわからないので側で傘をうっているおばちゃんにきいてみた。その宿までは「その道をずっとまっすぐいって人があんまりいないところまできてまだまっすぐ行く、お寺を通りこしてすぐだよ」と。その道というのは九イ分の目抜き通り「基山街」でものすごい人がいる。この九イ分という街は台湾の人にも人気の場所で日曜日である今日は台北や近くの町から一杯人がきているのだ。しかもお昼時にこの混雑した場所をでっかいバックパックを背負って歩く。とても苦労だったよ。柳園というのは結構遠い。この基山街にあるのだけど入り口の方ではなく奥の方なのだ。そのかわり静かでいいけどね。 

↑このセブンの横が「基山街」の入り口 ↑入り口付近、バイクで来る人も多いので「停機車
とかかれた駐輪所がある

 廟を通りすぎて少し行くと大きく書かれた「柳園」というのを発見。入ったらおばちゃんがでてきて「こんにちは、あらあなた前にきたことがある気がするわね」と言われた。私は台湾初めてなんですけどぉと思いながらも「初めてですよー」と返事した。私の顔というのはこの辺りではよくある顔なのかもしれないね。「柳園」の部屋の種類は「和式」と「套房」と2つある。和式って中国語で「he2shi4」と発音されるので最初は同じ発音の「合適」かと思ったよ。見た感じ誰も他のお客さんは泊まっていないようだったけれどお部屋は窓も開けて空気に入れ替えもしてあるし清潔に保たれているようだった。和式と套房の違いは套房にはバストイレがついていて、そしてベランダから素敵な眺めがみられる。和式はバストイレが共同、そして眺めは前の建物に遮断されていて見えないということ。しかしどちらもベッドではなくお布団なので和式であることにかわりはないと思うが・・・。套房は通常1200元なところを1000元にしてあげるわ、といわれたけれど私は500元の和式にすることにした。だって他のお客さんいなそうだからバストイレって多分独占状態だし(台北のゲストハウスではお客さんが多いのでバストイレは混雑気味だった)、景色は外で見られる、お部屋で一緒に景色を楽しむ連れがいたら別だけど一人だから500元の和式で十分だわ。
 おばちゃんにお金とパスポートを渡す。パスポートはどこかに泊まる時記入しなければならないので必ず提示する。中国ではあまりきちんとしていない宿だと記入しなくてよかったりするけれど台湾の私たちが訪れるような観光地ではきちんとしているようだ。中国だとパスポートを渡したらとられるという可能性があるので絶対に見知らぬ人に渡すことはしないが台湾だと渡しても平気な感覚がある。もちろん台湾にもだましを働く人やわるいことを考える人っているとは思うが、外国にでることを極端に制限されている中国での日本人のパスポートというのは特別に狙われやすいというのは事実だと思う。私のパスポートをみて私が日本人だとわかったおばちゃん「私のお母さんは日本語できます」といっていた。日本語ができる世代なんだな。おばちゃんは名刺を渡してくれた、おばちゃんの携帯番号が書いてあるので何か困ったことがあったら電話してねと。アットホームな民宿だ。
 非常に汗だくだったのでシャワーを浴びることにした。シャワー用のスリッパも貸してくれるし、タオルとかは自分で持ってきていると告げたのだけどもしなかったら貸してもらえるのかもしれない。ドライヤーも共同バスのところにおいてあった。お湯は24時間でるということ、お湯の出に問題はなかったけれどガス給湯なのだろう、途中で切れて水になったり熱湯になったりするのが玉に瑕だった。気をつけないとすごく熱い。

柳園
瑞芳鎮福住里基山街237号
TEL:

↑基山街をずっと行くとこのがある、ここまで来る
と柳園はもうすぐ
↑左の廟の前にある展望広場から手前(建物)側を
みた風景
↑同じく廟前の広場より正面をみる図
遠くの海や岬までよくみえる。
↑基山街もこの当たりまでくると人気が少なくなり
静かになる。
↑少しハイカラな場所を抜けると柳園到着 ↑民宿「柳園」この鉄格子のドアから中に入る
↑左の白いタイルの方から部屋へ入る。写真右に
見えるドアは大家さんたちのお部屋のようだ。
↑左の写真の白い椅子の前にいる犬がみえるだろ
うか?ミニチュア・シュナウツァーだと思われるが
トリミングしてもらっているようだ。
↑人懐こいワンちゃん、髭の部分しか毛が残されて
いなくてちょっと面白い。
↑今回泊まった「和室」の部屋(500元)
布団は2セットあるので2人でも泊まれると思う

■九イ分スイーツ

 少しくつろいで出発。十分大瀑布を見に行くためにさっききたバス停まで戻る。途中ガイドブックに載っていた「頼阿婆芋圓」をみつけたので並んで「芋圓」を購入。芋圓とはタロ芋と小麦粉を練り合わせた団子で九イ分の名物。冷たいのと温かいのと選択できるのだけど私は温かい方を頼んだ。すっごく美味しい!感激!!
 気になる食べ物「花生捲加冰淇淋」も食べてみた。「花生」とはピーナッツ、「冰淇淋」とはアイスクリームなのでピーナッツ巻にアイスクリームを加えたものという意味なのだけど、クレープの皮みたいなのにピーナッツを並べて香菜(コリアンダー)とアイスクリームをのせてくるくると巻いたものなのだ。なかなか面白そうだし味も美味しかった。香菜は私はなくてもいいかなという気もするけれど香菜好きな人には絶妙な味なのかもしれない。

頼阿婆芋圓、売り場の隣にテーブルと
椅子があるので混んでいなければ、そこで
ゆっくりできる。
↑九イ分名物「芋圓
この中に数種類の芋圓が入っている。
どれも美味しくて次の日も食べる。
アイスクリーム入りピーナッツ巻
作っている所、お兄さんの右手にあるのが
ピーナッツの塊、かんなみたいなのでするようだ。
↑出来上がったところ
↑ピーナッツもアイスクリームもたっぷり入っている ↑観光客で一杯。店頭からは北京語、台湾語、
日本語など色々な声での呼び込みが聞こえる
↑古びて無機質なだけなのかもしれないが、
趣があるように見える階段
↑ガイドブックに載っていた九イ分茶坊
歴史を重ねた建物の茶芸館らしい。
次回はぜひ中にはいってお茶を楽しみたい。
↑私は行かなかったけれど面白そうな世界(笑)

■瑞芳駅へ

 日本のガイドブックによると九イ分―瑞芳のバス運賃は20元と書いてあるけれど、私が乗ったミニバスは15元だった。もしかしてこのミニバスは新しくできたのかもしれない。北京のミニバスとかってオンボロだったけれどこのミニバスは綺麗なバスでクッションも厚く快適だ。ただやはり山道なのでよくゆれる。みると運転手さんも曲がる時には手すりにつかまりながらハンドルをきったりするし、地元の人も下の写真のように手すりにつかまっている。
 20分くらいで瑞芳に到着。チケットを購入して出発の時刻まで時間があるので駅の周りをブラブラしてみる。「美食街」とかかれた建物が目に付いた。その周りに屋台が沢山でている、そこで基隆名物の海草を甘くしたゼリー「石花凍」を売っているではないか。基隆で食べそこねたので食べてみようと行ってみると売り切れだった。そんなに海草を甘くしたゼリーは人気のある食べ物なのだろうか・・・。まあいいせっかくなので豆花粉圓が入ったものを買ってみた。豆花とは中国北方では豆腐脳といわれて朝食に食べるものなのだが台湾ではデザートになるみたいだ。ガイドブックによると大豆の粉にイモの粉を混ぜてフルフルに仕上げた豆腐のデザートと紹介されている。「粉圓」とはタピオカに限りなく似ているけれど違うものなのだろうか・・・。

↑バスではしっかり手すりにつかまらないと危ない 瑞芳駅
瑞芳駅前 ↑駅からその向かいにある「美食街」までの道に、
屋台が並んでいる。
↑この黒い粒が粉圓、白いのは豆花

■十分瀑布とは

 これから訪れる「十分瀑布」とは台湾のナイアガラとも称されるらしい。ネットでみた旅行記によると最寄り駅で降りてから瀑布まではひたすら線路の上を歩くというのだ。そこしか道がないとかなんとか。そんな体験はなかなかできるものではない。台湾のナイアガラも見てみたいし線路の上を歩くというのも体験してみたい。
 出発時間になり乗車する、乗客はそれほど多くない。多分私が出発した時間が遅いからだろう。十分瀑布の最寄駅「大華」までの切符は17元、瑞芳からは3つめの駅だ、といってもローカル線なので一駅の間が長い。その間は綺麗な峡谷の景色を眺められるので飽きることはない。車両は日本の車両のようだ。

電車の中、ローカル線でも車両は綺麗 ↑世界の車窓から

■大華駅到着

 大華駅は工事中なのかそれとももともとそうなのかわからないけど何もなかった。ただコンクリートのプラットフォームがその場所を駅に見せているだけという感じ。近くには小さい売店があってそこに観光客が沢山いた。次の電車が車でそこでまっているのだろう。もちろん駅に待合室なんてないからね。
 さてここからどうやって瀑布まで行くのだろう。案内は出ていない、「線路内歩行禁止」という看板があるのみ。でも線路の向こう遠くの方に人影がみえる。その人たちも線路を通って移動しているのだ。それをみて安心して(?)私も線路を進むことにした。最初に通りかかった人に瀑布はこの道であっているかどうかきいてみた。この辺りに住む人のようだった。「今から瀑布にいくのか?これから暗くなるし瀑布を見るにはチケットがいるよ、200元くらいするし今からじゃ時間がなくてもったいないし、おすすめしないよ」といわれてしまう。瀑布ってチケットがいる場所だったのか、私はてっきり歩いてたらいきなり台湾のナイアガラがでてくるのかと思った。200元ということはきっと広い公園かなにかになっているのだろう。うーん、故宮博物館も100元だったしね、昨日の野柳は50元だったから200元って確かに高い。でもここまできて台湾のナイアガラを見ないで帰るのは絶対後悔する。暗くならないように急いで行こう、そして急いで帰ってこよう。
 足取り早く進んだ。電車は1時間に1本。のぼりとくだりとがあるから1時間に2本、大体の場所は早めに察知できたらよけることができると思う。まさかこんなところでスタンドバイミーの橋の上のレールを歩いているところに電車がやってきて急いで橋を渡りきるというみたいなことにはならないだろう。15分から20分くらい歩いたかな。トンネルがでてきた。長いトンネルではない。しかし灯りが一つもなく外は明るくても中までは灯りが届かない。これがまたかなり怖い。周りに人は誰もいないし、トンネルの先にも人がいない。ちょっと入ってみたんだけど先に灯りはみえるけれどつっぱしっていける距離ではないし、走って大事なものを落としたりしてしまったら全然見えないので大事だ。懐中電灯がとっても恋しくなった。どうしよう、まじでこわいけど行かないと瀑布にはたどり着けない・・・。恐る恐る進んでみる。すると
電車がきた
OH MY GOD!!!
なんでよりによってこんな時にくるんだぃ!!
走って来た道を戻った。
なんとか無事に電車が来る時までにはトンネルの外で待機できた。あー大変だった。これじゃ軽くスタンドバイミーじゃないか。一人旅の人は要注意だ。人が多い時間帯に皆で通らないとこのトンネルは怖いし危ない。
 電車は今通ったばかりなのしばらくはこないだろう。勇気をだしてトンネルの中を進む。走れないけど早足でとにかく早く外に出れるようにと心の中で祈りながら・・・。
 トンネル脱出成功。だけど軽くトラウマになったのは否めない。もうトンネルを歩いて通るなんてことはしたくないわ。

■十分瀑布到着

 トンネルを出るとすぐに瀑布入り口に到着。ここまで来ると人がいる。なんでトンネル通るときに一人もいなかったんだろうと恨めしい。「今入場するならチケットは100元です」と切符切りのお兄ちゃんがいっていた。もう夕方なのでこれから何時間も滞在できないからだろう。チケットには優待券とかかれている半額となっているので本来なら200元なのだろう。さっきあった人の言うとおりだわ。

↑何もないところだけど十分大瀑布到着
赤と黒の看板のアップが右の写真
↑これが十分大瀑布に着いたという看板
十分大瀑布入り口、ここでチケットを買い中へ入る

十分大瀑布
平渓郷南山村乾抗路10号
TEL:(02)24958531〜2


 中はかなり広いようだ。チケットの裏に書かれている図によると、ナイアガラと言われている大瀑布の他にも、原始石林区、洞窟、石仏、BBQをする場所や展覧室もある。カフェやお茶を飲むところもあるし、子供が水遊びをする区域というのもあるようだ。時間があればゆっくりできたのだけど私はまた帰りもあの暗いトンネルと通らなければならないかと思うととにかく早く瀑布の鑑賞をして人がまだ人がいるうちに一緒にひっついて帰ろうと思った。暗くなって一人であのトンネルを帰るくらいなら、閉園時間までいて従業員さんに怖いので一緒に帰ってくださいとお願いした方がましだ。幸いまで遊んでいる人がいるから早く鑑賞しよう。
 瀑布はすぐに見えてきた。思ったより大きかった。さすがナイアガラと称するくらいだわ。しかも周りに不調和な景色とかごみごみとした人ごみとかがないのでいい。近くまでくると飛び散るしぶきというのかなミストのように空気を湿らせている。雨は降っていないのに髪がぬれてくる。カメラのレンズもぬれるので気をつけないといけない。西洋人の男性が一人で歩いていた。あの人もきっとトンネルを帰るんだろう。いざとなったらあの人と一緒に帰ろうとトンネルのこだけが気にかかった。

↑滝の上、左よりにぽつぽつと白く見えるのが人
この滝の巨大さがわかる
↑迫力満点の大瀑布、ああ来てよかった〜!
↑道の左右に羅漢像が並んでいる。奥には仏像 ↑これが仏像、足元の象さんは何故か砂利に埋まっている。

■帰りも一人?

 滝の周りをうろうろしていたら人が全然いなくなった。ちょっと焦る。走って入り口までもどる。ああよかったまだ人はいる。切符切りのおにいちゃんに瑞芳まで帰るんだけどどちらの方向が近いかきいてみた。帰る道はさっきのトンネルがある道を引き返し最寄駅までいくか、あるいはその反対の方向に線路を進む、あともう一つは山道というのがあるらしい。山道を進んで帰る人が多いようなので私もその人たちについていって「十分の駅」までいったらいいよといわれた。はいそうします。山道が険しくてもなんでもいいわ。とにかく人がいるところがいい。
 山道を進むとすぐに道路にでた。たいした山道ではなかった。道路だから車もバイクも通れる。なーんだ、車でこんな近くまで来る道があるんじゃないか。線路しか道がないのかと思ってたよ。どうりで日が暮れそうになってもまだ遊んでいる人がいるんだよな。なんて安心して歩いていると、私がついていっていた人だかりが全員駐車場に消えていった。皆マイカーできたらしい。彼らは十分の駅には行かないみたいだ。そして私はまた一人になってしまった。トンネルはないけど誰もいない。十分の駅までどれだけ離れているんだよぅーー!!別れ道とかあってどちらに進むのかわからない、聞く人もいないじゃないか!!なんとなく人気がありそうな方にすすむ。すると看板がでてきて十分駅の方向はこっちであっていることがわかる。こんなところで迷子になりたくないわー。これから九イ分まで帰らなきゃならないんだからさ。
 大分歩いてやっと駅らしきものが見えてきたと思ったら商店街だった。しかしこのすぐ先に駅があるようだ。この商店街は電車を待つ人たちのためにあるのかもしれない。おみやげものをみたり、軽食を食べたりできる。暇つぶしなのかそれとも何か縁起担ぎなのかわからないけど、願い事を書いて中の空気を温めて気球にして飛ばすというのをしている人がいた(下の写真を参照)気球は袋のようになっていて下の部分はあいている。そのあいている部分をしたにしてその中で火をつけて空気を温める、そして手を離したら天に飛んでいくというもの。みているとかなり遠くまで飛んでいった。すぐに落ちるのかなと思ったらなかなか落ちないんだね。遠くの方までいくのかもしれない。

■十分駅

 やっと十分駅に到着、こちらは駅員さんもいるし自動切符販売機もある。瑞芳までのチケットを購入(20元)し待合室で待つことにした。次の電車は18:08にくる。前の電車が10分前くらいに出たばかりだったので時間はかなりあった。

↑やっと駅らしき雰囲気になってきて安心 ↑願掛けの気球?
↑橋 ↑商店街?、この少し先に「十分」の駅がある

■乗り換え

 やっと来た電車は瑞芳までは行かなくて「候(石同)」までしかいかない。そこで乗換えをしてくださいということだった。列車の中は若い人たちで一杯だった。学生さんたちだと思う。台北からきている人、香港からきている数人もいた。香港の人たちは車掌さんと写真をとったりしていた。北京語のうまい人達だった。若い世代だからかな?
 候(石同)駅到着、いままでの「大華駅」や「十分駅」に比べたら大きな駅にみえるけど特に待ち時間に何もすることはない。プラットフォームのベンチで座って待った。となりに座った男性は私と同じ電車に乗ってきたんだけどいきなりノートパソコンを開き始めた。出張なんだろうか?いやそれにしては観光するようなラフな格好しているよ。不思議だ。
 そこで30分待つ。かなりつまらない時のすごし方だった。19時ごろになってやっと電車が来た。私が降りる瑞芳までは一駅なのにこのたった一駅のために30分待ったんだなぁ私は。電車の中は冷房ががんがんですっごく寒い。真夏でも日中でもないのにこの冷房はなんだろう。

■瑞芳に到着

 瑞芳に着いたらなんだか安心した。ここからはバス一本で九イ分に帰れるしそのバスも頻繁に且つ夜遅くまであるからだろう。お腹がすいたので何か食べて帰ろうと思った。美食街にいってみることにした。美食街なんだもの沢山食べるものがあるだろう。美食街は夜市に市場を足したような感じだった。お店の前のテーブルで食べて帰ってもいいし、買ってもってかえってもよい。しかし地元の人ばかりが利用しているので一人で食べている人が少ない。地元民のふりして注文するのは問題ないのだけどなんか勇気ができなかったので断念した。今日の一人トンネルがかなりきいているのかあまり勇気がでない。ちょうどバスもやってきたのでとりあえず九イ分まで帰ろう。

■夜景の綺麗な九イ分

 このバスも自分で降りる場所を見極めなければならない。目印はスターバックス!で成功した。ちょうどバスを降りるところにスタバがあるのだ。遠くからでも見えるのでそれが近づいてきたら「降ります」ボタンを押してドア付近で待機すれば良い。ふふんこれで少し地元民っぽくなった私。
 九イ分は昼間の大混雑がなくなりすっきりとしていた。片付けをしているお店もあったけど喫茶店は遅くまで営業をしているようだ。コーヒーは如何ですか?というお店の人がお店の門のところでたっていたりする。夜の九イ分は夜になると雰囲気が違う。ちょっと散策してみた。
 九イ分というのは1989年の映画『非情城市』の舞台となったことで脚光をあびた。その『非情城市』の舞台の茶芸館「阿妹茶酒館」がある階段通り「豎崎路」というのが際立ってノスタルジックで美しい。この辺りで写真を撮る。この場所はあまりにも有名なので夜でも写真を撮る人で混雑することがある。

豎崎路、夜は雰囲気が違う。 ↑阿妹茶酒館の手前の階段

■夜景をみながら夕食

 阿妹茶酒館の向かいに食事と喫茶とできるお洒落なお店をみつけた。表にメニューがあったので一人でも入りやすい。入ると店主さんがくつろいでいたので椅子に座っていたのでお互いに意表をついてしまうが、すぐに丁寧な態度で3階へと案内してくれた。3階には私のほかに台湾人カップル(夫婦)が一組はいっているだけだった。貸切に近くとっても綺麗な眺めをみられてよかった。そこから眺めると、他のカフェやお茶屋さんの露天席で楽しんでいるお客さんの姿がみえる。かすかに聞こえてくる彼等の話し声と海の方から吹いてくる風とにゆられなかがら、目の前のオレンジがかった黄色い景色を眺めるのは至福のひと時だった。夜景の綺麗な場所って世界に一杯あるけれどこういうノスタルジックな夜景はなんともいえない。また何度でも訪れたいなと思う。ただこういうカフェで夜景を眺めるためだけにでもそうしたいと思う。 
 頼んだのは「三杯鶏セット」、三杯鶏という鶏肉料理に、目玉焼き、中が空洞になっている野菜「空心菜」の炒め物とご飯のセットだった。三杯鶏は天津でも食べたことがあるのだけど天津で食べたのはどんな味だったか忘れてしまった。ここのはスパイシーだった。お店の内装も少し昔の中華風な絵やポスターみたいなのを飾っておしゃれにまとめている。かかっている音楽がウエスタンなんだけど古い名曲ばかりなのでそれまたノスタルジック。一人だけどここにきてよかったなぁと思った。

↑お洒落なインテリアの店内 ワラシお店の前でモデル中
三杯鶏セット
鶏肉、目玉焼き、ごはん、空心菜の炒め物
↑展望できるテーブル、
座敷ワラシならぬテーブルワラシ!?
↑テーブルから見える夜景
もう一度訪れたいと思わせる景色だ
↑近くの建物の露天席がよくみえる

戯夢人生茶飯館
瑞芳鎮九イ分豎崎路13号
TEL:24966639/24966432

 いつまでもそこにいたいと思うような場所だったけれどカップル客がいなくなったので服務員さん何時まで営業かきいてみた。そしたら「決まっていない」と。お客さんは他にいるのかきいてみるともういないと。私が最後のお客さんになってしまったみたいだ。あんまり遅くなったら悪いなぁと思いながらもまだそこで少しくつろぐ。くつろぎすぎたのか最初の店主がでてきて「すいませーん、今日はまだ他に用があって・・・」みたいなことを言ってきた。つまるところは早く帰ってくださいってことなんだけどその言い方が丁寧で婉曲的だったのでその単語がききとれなかった。お店で「早く帰ってよ」という中国語は何度も言われてきたけれど、所変われば色んな言い方がでてくるんだなぁ。そういう意味では台湾の人の話す中国語は私が普段話している中国語と全然違うということもでてくる。通じるんだけど何か違うみたいな。台湾に留学していた私の日本人のお友達の話す中国語と私の話す中国語も全然違うんだろうなぁ。

■夜景の綺麗な街

 お店からでてゆっくりと夜景を楽しみながら民宿「柳園」へ戻る。民宿では部屋の鍵を渡してくれるので「夜は何時に帰ってきても大丈夫よ」と言われていた。そんなに夜遊びするような場所はないじゃないってつっこみたくはなるけど(笑)

←帰りにみた夜景
オレンジ色の電灯がやわらかく綺麗

■ジャッキー・チェン新発見

 私は日本でも中国でもテレビを殆んどみないのだけど台湾のテレビ番組は面白い。今日もテレビを長い間みてしまった。今日は台湾のアナウンサーが香港出身ハリウッドスターのジャッキー・チェンの隠れ家というか彼が作った彼の住まいを訪問して紹介するというもの。その中にはジャッキーの事務所もあるし、何百本のワインを備えたバーがあったりして、彼のお友達である「古天楽(ルイス・クー)」「曾志偉(エリック・ツァン)」「ビビアン・スー」などなど沢山の有名人がここに来て遊んでいるらしい。そしてその時の彼等の面白い写真が飾ってある。ジャッキーが今までに受賞した数々の賞や彼がプロデュースしたグッズ(これが沢山ある)や彼が収集したコレクションなどが所狭しと飾られた空間。彼は誰かにプレゼントをあげるときは市販のものではなく自分で企画デザインしてつくった世界に二つとないものをプレゼントするそうだ。ファンからもらった手紙とお金というのもあった。これはジャッキーがチャリティーで学校をつくろうという活動をしているときファンの人がお金を送ってきたりしたらしい。でもジャッキーはつかわないでとっておいてある。ジャッキーがそういったチャリティー活動をしているのは少し聞いたことがあるけれど実のところそんなに勢力的に行っているとは知らなかった。ジャッキーはいまや大金持ちだけれど小さいときは家が貧しかったらしく父母の愛を十分にうけることはできなかった。だから今貧しくて学校にもいけない子供たち(余裕がなくて)父母に存分に愛されることがあまりないかもしれない彼等を自分が愛してあげよう、そういうことをやりたいんだと言っていた。ジャッキーはアメリカ等の有名大学を訪問して特別講義みたいなのを開いた経験も沢山あるようだ。講義には何百人の人が集まり、ジャッキーはカンフーを披露したりもする。アジア以外の地域でもそうやってアジア出身の人が認められて活躍しているというのはなんだか励みになる。私たちはアジアの中にいるからよく知っているかもしれないけれど、ジャッキーはアジア以外の地域の人にも知られているアジアを代表する人ではないかと思う。彼が住まいを紹介してまわるという日常的な動作の中に、綺麗な洋服をきているけれどおごり高ぶっていない、沢山のお金を費やした「ぜいたく」なものばかりに囲まれているけれど、そのことを客観的にみて謙虚にうけとめる姿勢も忘れていないジャッキーというのを感じることができた。もちろん私がテレビを通して感じたものがジャッキーの本当の姿と100%マッチするものではないだろうけれど、日本ではあまりみることができない私生活に近いジャッキーをみることができてよかった。

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