中国瀋陽に招かれて 7日目
■おばちゃんのお友達の家に
朝は4時半から携帯が何度も鳴った。
私は準備に忙しいので出なかった。起こしてあげようというのと、起きているかどうかの確認で電話したいのだろうけれど、こういうのは相手の立場に立たない独りよがりな行動に思うのは私が日本人だからかなと思う。
電話にはでなかった。面倒だし、昨日からおばちゃんのお友達の過剰な対応に嫌気がさしている。本当一人にしてほしいのだ。
おばちゃんのお友達の家まではタクシーで25分くらいなのだけれど、タクシーがつかまらなかった場合のことを考えて5時15分くらいには家をでたほうがよいと言われていた。
それよりちょっと遅くなったのだけれど、家を出て団地の門のところまでいくと割りとすんなりとタクシーが見つかったのでよかった。
昼よりも朝の方がみつかりやすいのかもしれない。
おばちゃんの団地の名称を告げると運転手がスマホのナビにいれてくれるのでそれですんなりと行く。
この時間は深夜料金なので高くなった。
通常は初乗り8元、その後600mごとに加算だが、深夜は初乗り9元その後500mごとに加算というようなことを言われた(記憶違いの可能性もあり)
通常は15元くらいでいけるというのだが、29元だった。まあどちらにしても安いが。
■合流
おばちゃんのお友達と彼女のお母さんが建物から降りてきた。道中でご飯を食べましょうと言われた。
昨夜の話では私の朝ごはんを作ってくれたという話だったがもう時間がないから買って食べたらよいことのようだった。
私はお腹が空いていないといったのだけれど、何か食べないとだめだよと言って道端であんこの入った揚げ饅頭のようなものを買ってくれた。
彼らはもう食事を済ましているので食べないので私もいつ食べたらよいのかちょっと見極めに困っていたのだけれど、おばちゃんのお友達は饅頭をかばんの中にしまいなさいというし、おかあさんはそうやってもっていたら湿気でおかしくなるからちょっとビニールを緩めなさいと緩めてくれた。
そしたらおばちゃんのお友達が私が特別に暖かくないやつをもらってきたんだから大丈夫、とお母さんに言う。ほら、かばんの中にしまいなさいと。
そして私がしまわないので、あなたがかばんの中にいれないなら私がかばんの中に入れると言い出した。
私は今食べるんだと言って食べ始めたら納得したけれど、たかだか饅頭のことであれこれ指図されるのはやりすぎに思う。
自分の手に持っていたって、かばんに入れたとしても各自の自由じゃないのかな?確かに買ってくれたのだから彼らに全く関係ないとは言わないけれど、食べるのは私。もう私にくれたんだから自由にさせてほしい。
ちなみにこの食べ物とてもおいしかった。
あんこがもしかして甘すぎるかなと思ったけれど甘さ控えめでとてもよかった。日本人が好きな味だと思う。油で揚げてるので腹持ちもよい。
■集合場所へ移動
3人でタクシーに乗って集合場所へ。近いところだった。そこでしばしまつ。
おばちゃんのお友達の知り合いの人が続々とやってきて挨拶に忙しそうだ。
声をかけるときに、ハローという、最近の流行だろうか。
あと、ロンドンにいるときから気がついていたけれど、Dearに相当する「親愛的」とか省略して「親」をかなりたくさん使う。お友達同士、女性だけかもしれないけれどしょっちゅう使っている。以前はなかったことだなと思った。
この団体というのは、団体の長がいてその人が創めたものらしい。
知らないもの同士の集まりだそうだが、旅行を計画して自分たちの行きたい場所を選び、車をチャーターして、チケット込みの値段にする。そうすると自分たちだけで各自の車で行くよりもかなり安く済ませることができる。
何度も顔を合わせているうちにお友達になり、みんなの団体意識も高まる。
おばちゃんのお友達曰く、これが一番最低レベルの旅行の仕方で、あなたにそういうのを見せてあげたいのと言っていた。
最低レベル・・・、そうだなぁ。そうかもしれないし、もっともっとけちった方法があるのかもしれない。
たとえば公共の交通機関を乗り継いで観光地まで行き、チケットは別のところで安く仕入れるみたいな?いやそれも手間がかかるし最低レベルかどうかわからない。
みんなで行くから安くなる。だけど最低レベルの生活水準の人が集まっている団体というわけではなさそうだった。
↑集合場所で待っている時。 いろんな人たちがいた。中国の人は朝が早い。 |
■出発
6時40分にパスは出発した。
みんなそれぞれに話始めている。「群主」という人がいる。群(団体)の主(長)という意味だ。その人が挨拶したり、歌いたい人がカラオケを歌ったりした。がしかしカラオケ設備があるわけではない。音楽無しで歌うか、歌声入りのものを流してそれとあわせて歌うかのようだった。
おばちゃんのお友達がしきりに貴方も歌えと言ってくる。設備も無いのに歌えないしいやだ。そんな気分じゃない。朝は弱いのでゆっくりしたい。
おばちゃんのお友達が「貴方のためにヨーグルト、きゅうり、その他フルーツとお菓子をもってきたからね」と言う。
■風景区
時間は結構かかった。
私の席は事前に割り当てられた席なので仕方ないが、足元左手が盛り上がっているので足がまっすぐに下ろせない。下ろすとちょっと狭い。
ということでイレギュラーな格好になってしまったので腰がいたかった。
朝早かったので寝て過ごした。おばちゃんのお友達は寝ていないようだ。元気すぎる。
皆に話しかけて大声だして騒いでいる。
昨日までは彼氏?みたいな人がいたから割とおとなしくしていたけれど、もしかしてこれが彼女の素の姿なのだろうか。だとすると恐ろしい。
私は静かで騒がない人が好き。私はおしゃべりは好きだけれど騒ぐだけではなくて、内容のある会話をするのが好きだ。
人がたくさんいる場所で大声出す人は苦手だ。
おばちゃんのお友達のお母さんもしゃべるとかなり早口で力がありそうではあったがそんなに話さない。もの静かなように思った。
周りにいる人とは普通に話すのであろうが、離れた場所にいる人、あるいは別の人と話をしている人を急に呼びかけて「私は気にかけていますよ」的アピールはしない。
この親子あまり似ていないのかな?
団体の中に感じのよさそうなお姉さんがいた。彼女もフルーツやらなんやらたくさんもってきていた。
バスの中でりんごか何かを落としてしまった。そして誰かが拾って彼女のもとにもどってきたのだけれど、それから私にスモモみたいなのをくれた。
ありがたかったけれど、皮ごと食べるものだから綺麗に洗ってあるのか、まさかさっき地べたに落としたやつではないよね?とちょっと不安になった。
バスの地べたはかなり汚い。バス自体は汚れていないけれどバスの車内の床が濡れてて泥もついていてかなり汚いのだ。
そこにもし落ちたものを口にしたら下痢になりそうだ。
まさか落としたものをわざわざ私にくれるなんぞのことはしないとは思うけれど、かといって落としたものを捨てた形跡はない。
また彼女の食べ物バッグの中にもどったのじゃないだろうか。そう思うと不安は消えないけれど好意でいただいたものなので食べた。
おばちゃんのお友達がびっくりすることに、車内でシャボン玉をしはじめた。
皆も「お前遊び方を知っているな」という反応だったので、別に不快なことだったりマナー違反ではないみたいだ。私は考えられないけどな。
だって洗剤で液体じゃん。至近距離で人に吹きかけるものではないと思うけど。
■トイレで大事件
到着したようだけれどまずは併設の公共トイレに行った。
おばちゃんのお友達は皆に「私が彼女(私のこと)をトイレに連れて行く」と何度も言葉にして言っていた。
「私が連れて行く」という表現を好むようだ。
ロンドンの語学学校で会った中国人も一緒に行くのに I show youというから中国ではスタンダードな表現なのかもしれないが、トイレくらい一人でいける。トイレ!と大きく書かれているし迷う要素がない。ついてきてなんて言っていないし。
確かここのトイレで起こったことだったと記憶しているが、別のトイレだったかもしれない。
とにかく観光地に併設している公共トイレでのこと。
おばちゃんのお友達がトイレまでは一緒に来たけれどその後どこかに消えたので私は個室が空くのを待っていた。
すると団体の一人の感じのよいお姉さんがこの個室が空いたよって教えてくれたのでそこに入った。
そしてたぶんそのお姉さんが私を待っていてくれたのだろう。
個室は個室だけれど鍵が壊れていた。
トイレットペーパーはないので自分のかばんからペーパーを探して取り出していた。
そしたらおばちゃんのお友達がドアを開けて、「ほら、紙」と手渡してきたのだ。
呆然とした、
なぜ私がここにいることを突き止めて、しかも何も言わずにドアを開ける?
しかも紙がない、紙が欲しいとなんて一言も言っていない。
あら、紙あるの、といってそのまま消えていったけれど、このあたりから私のトラウマ感が強くなる。
中国では昔はドアも囲いもなかった、鍵が壊れていることはよくあったので女子同士がトイレの場面を見られても割りと平気な文化ではあったと思う。
トイレの数が少なかったりしたら二人で入ったりすることもあったようだし、二人用トイレ個室というのも数年前みたことがある。
だからそれが気が狂ったことではないとはわかっているけれど私にはやっぱりショックだった。
確かに今までいろんなことを言ってきてうざかった。
だけどそれらは大体言葉で言われたことだった。
言葉ではなくて勝手に行動されたのはあまりなかったと思っていたところこういう事件があったので、もうどうしようもなくやりきれない気持ちになった。
とにかく開放されて一人になりたい。この人とは一緒にいたくない、それだけだった。
■風景区到着
ここは白鷺がたくさん生息する場所ということで白鷺洲という。満州族が暮らしているようで、踊りの披露もあった。
確かに白鷺が山にたくさんいるのが見て取れた。
白鷺はどこにでもいるわけではないので特徴的かと思う。
おばちゃんのお友達は私に常に目を光らせていて、名前を遠くから呼んで、そこで待っててとか言う。
私は一人で観光できるけれど、団体からはぐれてもだめなのでとりあえずは従う。
ここには満州族ということで歴代皇帝の絵がかざされていて、当時の建築を簡単に再現した場所であった。
それにガラスの橋や水関連の遊具を作っているみたいだ。
娯楽施設としては遊ぶ要素が少ないが、歴史文化的なもの、また風景美を足してその価値をあげているのかなと思った。
風景はとてもよいと思った。
↑綺麗な衣装をつけて踊っている。 | ↑よくみると中高年の踊り子隊のようだった。 | |
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↑のどかな場所 | ↑この施設以外には何もなさそうな場所だった。 | |
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↑ガラスでできた橋。これが見もののようだ。 渡る料金と靴カバーの料金が必要だ。 |
↑透明で下が透けている。 | |
↑みんななんなく渡っているが私は苦手なので渡らなかった。 | ↑特別高いわけではないのだけれど気持ちが落ち着かない。 | |
↑この川も山ものどかな田舎の風景だった。 | ↑人工的に作ったものではあるが、昔風なので景色にはなじんでいる。 | |
↑ピンクの衣装から着替えて今度は宮廷の躍りかな。 | ↑皇帝の貸衣装をきて王座に座る同じグループの参加者。 | |
↑遊具もあった。これは見た目以上にハードルが高く。 水の中に落ちてしまう人たちが続出した。 |
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↑これに乗ることもできる、別料金。 | ↑山の上から降りてくることができるが、登るのには使わせてもらえない | |
↑風車文化節というのも行われていた。 色とりどりの小さな風車がたくさん設置されていた。 |
↑水も綺麗。 | |
↑私は橋より川岸の方がよい。 |
中国人は写真撮影が大好きなのでガラスの橋のところで撮影しまくりだった。
私もここに立ってとか、こんなポーズをとって、とか今度はあっち、とかたくさんのオーダーがあった。
私はそんなに自分の写真いらないし、写真撮影の度に呼ばれるのもいやだった。
やけに親しげに体にくっついて写真撮るのもなんだかねと思った。
写真撮影のときだけでなくおばちゃんのお友達は私の腕を組んでくる。
しかしおばちゃんのお友達が女性の組み方なので私が男性の組み方。
なのに彼女があっちこっち引っ張るのですごく動きづらい。
おばちゃんのお友達は私よりだいぶん背が低く体も大きい、したがってそうやってくっつかれて引っ張られるのはかなり重たかった。
いやだったのでおばちゃんのお友達が腕を組もうとするたびにさっとどけたり、手をかばんの方にしたりして組めないようにした。
たぶんなんとなく嫌がっているのはわかってくれたと思うので、心苦しいことではあったがただの生贄みたいになすがままなのも嫌だった。
■昼食
昼食は少し移動した場所にあった。地元のレストランのようだった。
屋根のある外で食事。屋根の色があるので写真が変な色になっているが料理はおいしかった。
料理は東北の特徴のある料理を含め、数えられないほどでてきた。魚も肉も野菜も。テーブルが大きなテーブルだったが置ききれず、野菜は別の場所にもっていかれたりした。
テーブルが回転テーブルではないので、遠くのおかずを取るのが大変だった。
おばちゃんのお友達が私のためにいろいろ入れてくれるのがありがたいような迷惑だった。
そういうこと以前にもしてくれる人はたくさんいたけれど、適度というものがある。
大体は最初に入れてくれて、また途中で入れてくれて、という感じだが、いつも、何度もというのはあまりない。
私は彼女に世話される娘でもないし、自分のことは自分でしたい。
これ食べろあれ食べろうるさい。
私は食べないものもあるし、食べてみて口に合わないものもある。
自分で考えて選んでとるのに、あれこれやかましい。自分でする、と言ってもきいてくれない。
東北の名物の大餅子というのがきたけれど、私には特別においしいものではなかった。
一つだけもらってそれで十分だった。
だけどおばちゃんのお友達が一つ残してあって、あれは貴方のために残してあるんだという。
私は自分のをまだ食べきっていないし要らないといったのだけれど、またしばらくして「大餅子食べなよ」という。
私は要らないと再度いった。
そしてまた後で「大餅子食べる?食べなよ」
しつこい。
食べきれないおかずが私の碗の中に溜まっているし、静かに落ち着いて食事がしたい。
隣であれこれしてくる人がいると落ち着かない。
小さな子供も同じテーブルに座っていた。
私のとなりは高齢のおじいさんで夫婦で参加していた。
おじいさんが、小さなこどものために自分の箸でとって盛ってあげようとしていた、かなり遠い距離に座っているのに。
そして奥さんに諌められていた、そんなことするなって。
私は奥さんに同感だ。
これは一見相手のための行為にみえるけれど実は自分のための行為だ。
自分が相手のためにしてあげて、自分は気にかけていますよアピールだ。
食べたいものがあるけれど遠いからとってあげるというのとは全然違うのだ。
いるかわからないものをとってあげて、相手に感謝の気持ちを強要するように思うのは私が過敏に反応しすぎだからなのか。
中国人的には、普通のことだから感謝の気持ちも感じなくていいし、料理はあまるほどあるのだからそのまま残せばよいことということなのかな。
おばちゃんのお友達は、小さな子供の隣の席だったわけだけど、彼女に向かってシャボン玉を吹きかけていた。
彼女は目を瞑ってちょっと迷惑そうにしていたが、彼女は止めなかった。
食事もテーブルにあるんですけど、洗剤をどうしてばら撒くようなことするかな。
まさか洗剤だということ知らないのか?
小さな子供はおとなしくて興味を示さなかったからすぐやめてくれたからよかったけれど、食事中だったので嫌だった。
↑食事開始。どの人がどのテーブルに座るか割り当てられていたので、混乱が起きなくてよかった。ちゃんと運営されている団体のようだ。 | ↑たぶんウコッケイ。飼われていた。 |
食事の時間は割りと長かった。
隣のテーブルではビールを飲んで楽しんでいるようだった。
おばちゃんのお友達もビール組に途中から入ったので私はつかの間解放された。
しかし、今度は屋内に入るぞ、と呼ばれて屋内に移動した。
別に屋内になにがあるというわけではない。
出発前にトイレに行こうと思ったけれど、トイレは離れになっていてかなり汚そうだった。
おばちゃんのお友達に汚いかきいたら、匂いがあるといわれた。たぶん汚いだろう。我慢することにした。
■鍾乳洞見学
食事の後は、今回のメインの観光、鍾乳洞へ。
ツアーにチケットは含まれているのでチケットを受け取って列に並ぶ。
ここは特別有名な場所でもないので、チケット売り場も列も空いていた。そのまま来ても大丈夫な感じだった。
中国の鍾乳洞には行ったことがあるのでどんなものか想像がついた。
中国のは色付のライトアップがされているのだ。
↑ピンクや赤や色々~。 | ↑緑や青、紫も~。 | ||
↑こういうライトアップが中国はお好き。 | ↑まあ、綺麗だけどね。 | ||
↑入り口と出口。 |
鍾乳洞は色とりどりにライトアップされてて綺麗だとは思う。
色がついていると近未来だとかコスモ的な感じにみえる。
しかしこういう狭くて込み合うところに来るとどうも叫ぶ人がでてくるんだよね。
係りの人がいて、狭いから気をつけてくださいとか、込み合うので停まらないで前に進んでくださいとマイクでいうのだけれど、それよりも普通の観光客が叫ぶのがうるさい。
前に進め、停まらないでくれないか、と大声で叫ぶ人がうちの団体にもいた。
あとはかなりご高齢のおじいさんはいちいち講釈をたれる。
さっきの自然区でも群主の人が写真を撮ってあげてると、そこから撮るとどうだとか、距離がありすぎて写真が鮮明にならないだとかいろいろ写真に写る位置につったってうるさかった。
自分が写りこむことはどうでもいいんだ、お前が後ろに下がりすぎていることが問題なんだ、
携帯で撮った写真はズームしたら画像が悪いんだ、だから近くによって撮らないといけないんだ、とぶつぶつ大声で言っていた。
その人がここ鍾乳洞でもうるさかった。
そして順番を守らないで入り込む。さっきの前に進め!と怒鳴っていた人も私の前に入り込んだ。
外でみたときには節度のある人に見えたんだけどね・・・。
おばちゃんの友達はここでも世話を焼いていた。
自分の母親だとか他の高齢な参加者の手をとって自分と一緒に行くんだと強調していた。
本当にそれが必要なのか不明だ。
そして私のことを遠くから大声で呼ぶ。
「こっちに来い、私と一緒に行くんだ」と。
返事したって聞こえないから、私がその場所に行くまで叫び続けそうだった。
私も困った。
こんな狭い場所で私がわざわざ後ろまで後退して彼女と一緒に進む必要があるのか?
彼女はすでに他の人の手を取って世話をしている。
私は一人で前で見ていて何が悪い?
そこで一切話をしなかったけれど同じ団体の人だった女性が私のかわりに叫んでくれた。
「彼女は私と一緒に歩いたらいいでしょ!」と。
それで納得してくれたみたい。
私も子供みたいに一緒にくっついている必要がないのは一目瞭然だった。言葉が全然通じないわけでもないし、ほうっておいたらどっかに行ってしまうようなタイプではない。
すでに他の人の世話をしている人が私の世話をしようとするために、私を大声で呼び寄せるその意味は見出せない。
手助けをしてくれた人のおかげで、後半はおばちゃんのお友達から離れて鍾乳洞をみることができた。
といってもやっぱり団体なので流れにそって歩いていくだけとなった。
団体旅行は仕方がないね。
最初の方はおばちゃんのお友達が数歩前にいて私が階段を登ってくるところとかをスタンバイして写真に収めてくれていた。
暗いので出来は悪かったし、撮って欲しいとはおもってはいなかったので本当に彼女の自主的な行動だった。
■山菜の買い物
出口をでたところに小さな市場みたいなのができていた。
↑ミネラルウォーター、アイスなどを売っている。 | ↑何もない。 | ||
↑素朴な風景。 | |||
↑山菜。オーガニックだから普通の野菜より高い。 | ↑結構買う人が多いようだ。 | ||
↑こちらは甘いお菓子を売っている移動販売車。 | ↑ここでしばし休憩してから帰ることとなる。 |
■帰りのバス
トイレに行ってから出発となった。おばちゃんのお友達はいつでも皆に号令をかけている。
「これから帰路ではトイレ休憩はないからな、トイレに行ってない人はいますぐトイレに行くべし!」と大きな声で皆に話しかけている。
バスガイド的な役割と思ったがバスガイドがこんな大声で叫びまくっていたらちょっと怖いよな。
おばちゃんのお友達もトイレに行って帰ってきたのだけれど、私が先に座っているとぽんっと何かを手渡してきた。
みてびっくり。きゅうりだった。
↑手渡されたきゅうり。 |
確かにきゅうりを持ってきたというのは聞いていたけれど、今?
しかもさっきトイレに行ってきて帰ってきた、手は洗っているのか、このきゅうりはどこにしまっていたのか?考えると気になって食べられない。
しかもきゅうり食べたいと思っていなかったのにこうやって半分に割られてわたされたらかばんにそのまま入れるわけにもいかずどうしようもない。
しかも彼女はすぐにどこかに行ってしまった。私に「要らない」と言わせる隙も与えずに。
私は朝食が入っていた袋があったのを思い出した。それにきゅうりをいれてかばんに入れた。袋があってよかった。
帰りもかなり疲れたので寝ていた。寝ていても腕をぽんぽんと叩いて話しかけてくる。
まだ寝てるの?
ヨーグルト食べない?
私は要らないといってまた寝る。
腰が痛くなって姿勢をただしていたら、は!っとおばちゃんのお友達がかばんからヨーグルトを取り出して私に渡そうとした。
そして私がまた寝るのをみて止めた。
しかしちょっとして、ねえヨーグルト食べない?
本当にうるさい。
あなたがヨーグルト食べたらごみ捨てれる、というのでもらうことにした。
食べてごみ捨ててもらった。
その後も、りんごほら、っと渡そうとしてくれたので断った。
また、りんご食べなよ、というので断った。
要らないんだよ。そんなにしつこく言わないでほしいし、疲れて寝てるのわからないかな。
この団体の人はお酒を飲むのが好きなようで、市内に戻ってから食事に行こう!と言っていた。
群主の人が私をご馳走してくれるといっているとおばちゃんのお友達は言うけれど、私は行けないと答えた。
もうくたくただし、群主の人の好意はありがたいが私が入っても仲良くなれそうにない。
気分は盛り下がっているし明日帰国なのですることがたくさんある。
おばちゃんのお友達はうちでご飯食べたら良いと言ってくれたけどそれも断った。
まだお土産買っていないから、これから好利来に行ってちまきを買いたいんだと私は答えた。
私もついていこうか?とか終わったら合流したら?とか言われたけれど断った。
それはいつものようにしつこく誘ってこなかったので、もしかして誘ってみているだけだったのかもしれない。
■買い物
バスを降りて、今度は公共のバスに乗り換えた。おばちゃんのお友達とお母さんは先に降りた。
一人残ったお母さんのお友達が私が行きたい好利来のある場所の近くの停留所がきたら教えてくれるということで教えてもらって降りた。
おばちゃんのお友達は、また明日ね!と言われた。
え?また明日も来るの?空港についてくるなんて知らなかった!
めでたく一人になった。カルフールがあったので買い物をした。
食料品は昔よりリッチな感じになっている。高そうな商品も扱っている。
中国でする買い物はいつも面白い。色々買った。
その後好利来でちまきを選ぶ。エッグタルトも買って現金が少なくなったので中国銀行のATMでおろす。
↑巨大なパンダがいた。 | ↑モールの中は動物をつれて入れないルールだと思ったが? | ||
↑お一人様用の火鍋。材料は回ってくるタイプ。これ面白い! | ↑フルーツ飲料のお店かな。 | ||
↑かわいいと思った広告。 | ↑輸入品か外国食品コーナーもあった。 | ||
↑日本や韓国の食品関係。黄色い沢庵が目に付いた。 |
■夕食
買い物を済ませてあとは最後にマッサージがしたかった。
家に先に戻って近くのマッサージやまで行くか、それとも今ここでマッサージして帰るか迷ったけれど、とりあえずお腹がすいてきたので麺のお店に入る。
割とおいしいし、肉の品質にこだわっているらしかった。
10元の麻辣麺を食べる。安くていいね。
↑麺のお店。 | ↑麻辣麺。ちょうどよい辛さ。 | ||
↑肉を冷凍保存して管理しているらしい。 |
■マッサージへ
大江盲人按摩へ。
地図で近くの按摩店を調べたら歩いていけるところに盲人按摩があったので行ってみることにした。
盲人按摩はたいていまじめにマッサージをしてくれるところであり技術が高いと私は思っている。
いってみるとそれなりに立派なところだというのがわかった。
受付があり、靴をいれるロッカーなどもある。部屋も多くはないが広めの部屋で心地よい。
こちらもちゃんとメニューがある。
受付のお姉さんに相談すると、ここでは足つぼマッサージは1時間からだという。
局部マッサージは30分からできるけれど、腰と首肩など複数の部位をするなら30分では足りないと。
だけど結局時間がどれだけあるかが問題だからそれで決めたら?と言われた。
私は今日はおばちゃんが天津から戻ってくるのでその時まで家に戻っていなければならない。
おばちゃんは19時台の高速鉄道に乗って帰ってくる予定なので瀋陽駅につくのが23時台。それから家に戻るので24時前くらいなのだろうか?
時間的には余裕があるが、おばちゃんが帰ってきてドアを開けるだけではなくてお話もするだろうから、それまでにできればお風呂に入っておきたいし、一人の時にパッキングをしたほうが集中してできる。
ここ数日でかなりたくさんの買い物をしたけれどまだパッキングをしていない。そう考えると余裕をもって帰りたい。
ということで、1時間の足つぼと30分の局部按摩をすることにした。
マッサージ師の希望を出すこともできるが初めてだったのでおまかせした。
すると盲人ではない男性マッサージ師が担当してくれた。
足つぼはちょうどよい力加減だったけれど、体がこっているので首のあたりはとてもきつく感じた。
マッサージ師曰く、私の首のこりの状態はそれほど悪くはないというのだけれど、パソコンを使う仕事だろう?モニターの位置を高めにしないとよくならないよ、と言われた。
マッサージしている時に携帯がなっているのが聞こえた。
またどうせおばちゃんのお友達だろうと思ったので無視していた。
日本ではいきなり電話かけてくる人なんて家族以外であんまりいないし、最近はいつも音を消している。
電話で邪魔されるの嫌いだしね。
もうすぐ終わるからあとで返事しようと思っていた。
そして終了、携帯をみたらおばちゃんのお友達とおばちゃんからの両方から着信があった。
おばちゃんからのメッセージは、これから鉄道に乗る、かえりは11時45分くらいになると思うので寝ないで待っていて。
という内容。
それから、どうして返事がないの?というのも。
それからおばちゃんのお友達からは、どこにいるの?というメッセージが入っていた。
おばちゃんのお友達には家についたら連絡しろと言われていた。
家には着いていないけれどマッサージに行ったとか余計なことはいいたくなかったので、買い物を終えた、というメッセージだけは送っていた。
それで用事が終了したことがわかってもらえると思ったので。
そしておばちゃんに急いで連絡した。
さっきは気がつかなくてごめんなさい。11時45分ごろまで待っているのは問題ないと。
そして、おばちゃんのお友達にもおばちゃんに連絡をしたということを伝えた。
後で知ったけれど、おばちゃんは私からすぐに返事が無くて焦って、お友達に連絡した。
何時に別れたのかと確かめて、おばちゃんのお友達も焦って21時ごろ私が買い物を終えたとメッセージを送った画面をスクショしておばちゃんに送って、この時間に私たちはやりとりをしていたのだからそれまではちゃんと把握していたということをアピール。
なんだかな、こういうのって面倒だよね。
今日何時ごろ帰るというのは前々から聞いていたのだし、鍵が一つしかないから待っていないといけないということも十分承知している。
ちゃんと話をしておばちゃんも出て行っているのにちょっと連絡がとれないからって焦り他人に連絡を求めるのって疲れる。
携帯の画面ばかり見て過ごすのもいやだし、
中国では着信の音、アプリの音など鳴りっぱなしでマナーの問題にはならないけれど、日本では気になるのでマナーモードにしている。。
それでいつでもメッセージに気がついてくれよと要求されるのはなかなか難しいよな。
文化と環境が違うと思う。
私はあくまでも一個人であって、いくらおばちゃんもお友達も私よりだいぶ年上だからといってへこへこするつもりもない。
中国風のやり方が日本人である私にはできるわけがないし、尊重はするけれど同じものを求められても無理なんだよ。
おばちゃんのお友達と接してみて、おばちゃんがいかに話が通じやすい人だということが実感できた。
それまでは、話は全然きいてくれないし、人の話が始まったら自分の話を話し始めるし、すごく中国人っぽくて困っていたのだけれど、
おばちゃんのお友達に比べたら理解があるし、プライバシーの観念もちゃんとある。
やはりイギリスでの生活が長く、いろんな国にも旅行にも行ったことがあるし、イギリスと中国本土の生活の違いを身を持って体験しているので違いがよくわかっているのだろう。
そういうことに気がつけたのもこのお友達のおかげなんだとは思うけれど、まあ心理的な負担は大きく、いろんな事件がありトラウマになったのは確か。
もっと楽に考えたらいいことなのかもしれないけれど、私は真剣に捉えすぎるところがあるので余計にそうかもしれない。
マッサージ
70元 足つぼマッサージ 1時間
50元 局部按摩 30分
■帰宅
タクシーにて帰宅。
家に帰って急いで洗濯物などを片付け、お風呂に入りドライヤーもし、パッキングも少しとりかかった。
そこへおばちゃんが帰ってきた。
なかなか元気なおばちゃんだ。
1泊して、急いで帰ってきたそうだけれど、なにやら不満があったらしい。
そもそも天津のあるおばちゃんに天津に来て彼女の手伝いをするようにしつこく言われて行ったのに、
食事の支払いもしないし、部屋にも停めてくれないし、おばちゃんとしては不満だったらしい。
私は電話ごしに二人の会話をきいたけれど、典型的な性格の悪い人のようだった。
私も一緒に行く予定にしていたけれど、この人のところにはお世話になりたくないと思った。
いやな気持ちになるか、トラブルが起こるかのどちらだと思ったから。
おばちゃんは、いろいろポジティブですごいなと思う。
ちょいとやかましい話し方なので疲れる部分はあるけれど、大体のことをポジティブにとらえて反応がよいのは私が学ぶべきところだなと思った。
パッキングして就寝。
明日はやっと帰国。うれしいな。笑
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